十二騎士達の役目 11 ページ36
だが、ふと思う。A様に対してなら、カーティス本人でもいいのではと。
ラーズ「そこにカーティス自身が入っていないのは？」
トール「カーティスと義兄弟とか、考えて見ろ。苦労が目に見えるだろう。それに、国に残らずAと駆け落ちでもされるのが落ちだ」
あり得る。
カーティス程、国にも王にも忠誠の無い人間であると、好いた相手と結ばれたと同時にどうなるか。
それもA様の意思一つで、駆け落ちか、居座るかは決まるだろう。
本当に、何故騎士になったんだ。騎士ほど、それもトールの騎士団に入れば、国や王家の柵に捕らわれるというのに。
それともそれ以上に、A様に執着していると言うことなのか？
ウェイン「あの、そもそもカーティス様は何故騎士に？ 他の方々にも聞いたのですが、皆さんもご存知無かったようなので……」
トール「カーティスの事は、経緯も併せ、父しか知らない。俺も会ったのはラーズと同じで、既に父の側で諜報として動いていた」
ラーズ「あまり、カーティスについては調べない方が良い。命が惜しいならな……」
アーネスト「そうだな。調べる前に、カーティスに消される。何人かは、カーティスの裏を調べようとして、消されましたね」
アクセル&ウェイン「「…………」」
カーティスの事を調べようとして、消された人間がいるのは本当で、カーティス自身が手を
そう、知らない内に消されているのだ。
何にしても、味方である内は頼もしいが、敵になれば暗殺される人間が増えるだろう。
トール「まぁ、カーティスはAがいる限りは、味方で居てくれるだろう。そろそろA達の所へ行こう。アーネスト、情報の件は頼む」
アーネスト「仰せの通りに」
アーネストは一礼をし、直ぐに準備に向かい、俺とトールは、アクセルとウェインを連れて、A様の所へ向かったのだ。
・ ・ ・ ・ ・
A様の自室までは、少し距離がある。それも踏まえて、アクセルとウェインには、トールとの雑談に付き合って貰っている。
トール「二人は同い年だったな」
ウェイン「はい。アクセルとは、切磋琢磨させて頂いてます」
アクセル「私もウェインには、良くして頂いてます」
ラーズ「トール。この二人は、タイプが違うようで、実は似ている」
トール「そうみたいだな」
トールは二人の顔を見ながら、小さく微笑んでいた。
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作者名：print11 | 作成日時：2018年11月22日 9時
