十二騎士達の役目 4 ページ29
いかんせん、ティアリスのフィリア様に対する愛は見ているこちらも引く位だ。
フィリア様は、そんなティアリスを無下にする事はないが、たまにお疲れの様子を見せていた。
トール「フィリーが上手く手綱を取ってくれれば問題ない。ただ、ティアリスに対しては、俺も報復が怖いな。地味にくる」
ラーズ「カーティスと一緒に企まれると、手のつけようがないのも事実です」
トール「言うな。頭が痛くなる。ウェインには、アクセルと同等に頑張って貰おう」
ウェインとアクセルは同い年だ。それ故に、騎士の中でも二人は一緒にいる事が多い。
しかも、二人揃って皇女の騎士。皇女方に対しては、方やカーティスに愛でられ、方やティアリスに愛でられている。
どちらも曲者に愛でられている皇女逹なだけに、苦労を共有出来るのだろう。唯一ユアンだけはそんな苦労もないが、フィオナ様に振り回されているらしい。
ラーズ「アクセルとウェインを楽にしてあげないんですか」
トール「ラーズ、俺に死ねと言っているのか」
ラーズ「馬に蹴られたくないのは、俺も一緒ですよ。ただ、有能な騎士が潰れる前に、救って欲しいものです」
トール「その辺はAとフィリーが良くしている。二人も、解っている様だがな」
ウェインは、元々名門貴族出身だ。その気品は、貴族時代に身に付いていたものであろう。その身のこなしは、俺達に近いかもしれない。
対するアクセルは、奴 隷に売られて居たところを助けた。貧民街の出身だ。
ウェインとアクセル、本来ならば話す事も、交わる事もなかっただろう。
だが何の因果か、こうして良い友人関係を築き上げている。
ラーズ「あの二人はこれから、良い好敵手になるでしょうね」
トール「良いことだな。さて、こうして報告を聞くのも良いが、実際に目で見に行くか。丁度、今日の仕事も終わりだ」
ラーズ「今日は、カーティスとサイードは不在です。ティアリスは学会で午後から不在にしています」
トール「なら、カルの所へ行ってみるか。確か新しい魔具を研究していたはずだ」
ラーズ「今の時間でしたら、ユアンも一緒でしょう」
・ ・ ・ ・ ・
カルの執務室の扉を叩き、室の主の許可を得て中に入る。
ユアン「トールギス様とラーズさん」
トール「ユアンは、カルの手伝いか？」
ユアン「はい。でも今日はフィムルさんも一緒ですけど」
フィムルと一緒。二人の皇女の事以外で、部屋の外へ出ている事に驚いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：print11 | 作成日時：2018年11月22日 9時
