十二騎士達の役目 3 ページ28
俺の言葉にトールの口元はひきつった。
トール「あぁ、クリスを婚約者と認めてないからだろう。Aが絡むと、不敬不遜が上がるな」
ラーズ「一国の皇子に対してですよ! クリストフ様だから良かったものの、他国だと首が飛びますよ!」
トール「その件に対しては、厳重注意と処罰は下している」
ラーズ「例の薬師一族の探索ですか? アレだけでは、通常任務と変わりません」
トール「勿論。例の薬についての調査もだ。原材料の調達場所も確保しなくてはいけないからな」
カーティスは薬について精通している。それも主に毒薬が専門だ。
それともう一つ、カーティスは毒に対しての耐性が強い。例え毒の森の中に入っても、無傷で帰ってこれる位に。
トール「サイードの方はどうだ」
サイード。騎士の中に紛れ込んだ神父だ。騎士全員は、常に胡散臭い笑顔のサイードの事を、似非神父と呼んでいる。
何故ならば、彼は神父の格好こそしているが、神など全く信じていないからだ。
ラーズ「相変わらずの似非神父ぶりですよ。サイードが顔を出している、孤児の子達への悪影響が出るのではないかと心配するくらいに」
トール「サイードの裏表の顔の使い方は、見事だな。一介の神父様が、嬉々として盗賊退治をしているとは思わないだろう」
ラーズ「……あの辺りの性癖は、ティアリスと張るものがありますが」
トール「そのティアリスは?」
ラーズ「相変わらず、フィリア様の所か、研究室にいます。まぁ、フィリア様関係で言えば、ウェインに嫉妬していますが」
トール「仕方ないだろう。ティアリスが専属になったら、城仕えの医師が居なくなるし、ましてやフィリアからの指名だ」
ラーズ「えぇ。ウェインも驚いていましたね。何故自分が選ばれたのかと」
フィリア様とウェインが顔を合わせたのは、騎士に指名されて初めての顔合わせの時。
いつウェインを知ったのかは解らない。ただ、姉のA様から聞いたのではないかと思っている。
トール「けど、ウェインを選んだフィリーの目は確かだったな」
ラーズ「そうですね。アクセルとユアンは既に指名済みだったにも関わらず、ウェインを選んだのは良いことです」
ウェインの人当たりが良いのも確かだが、フィリア様ならセレスを選んでもおかしくはなかった。
ティアリスに関しては、行き過ぎるスキンシップがなければ、選ばれていただろう。
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作者名:print11 | 作成日時:2018年11月22日 9時