検索窓
今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:3,781 hit

十二騎士達の役目 3 ページ28

俺の言葉にトールの口元はひきつった。


トール「あぁ、クリスを婚約者と認めてないからだろう。Aが絡むと、不敬不遜が上がるな」

ラーズ「一国の皇子に対してですよ! クリストフ様だから良かったものの、他国だと首が飛びますよ!」

トール「その件に対しては、厳重注意と処罰は下している」

ラーズ「例の薬師一族の探索ですか? アレだけでは、通常任務と変わりません」

トール「勿論。例の薬についての調査もだ。原材料の調達場所も確保しなくてはいけないからな」


カーティスは薬について精通している。それも主に毒薬が専門だ。
それともう一つ、カーティスは毒に対しての耐性が強い。例え毒の森の中に入っても、無傷で帰ってこれる位に。


トール「サイードの方はどうだ」


サイード。騎士の中に紛れ込んだ神父だ。騎士全員は、常に胡散臭い笑顔のサイードの事を、似非神父と呼んでいる。
何故ならば、彼は神父の格好こそしているが、神など全く信じていないからだ。


ラーズ「相変わらずの似非神父ぶりですよ。サイードが顔を出している、孤児の子達への悪影響が出るのではないかと心配するくらいに」

トール「サイードの裏表の顔の使い方は、見事だな。一介の神父様が、嬉々として盗賊退治をしているとは思わないだろう」

ラーズ「……あの辺りの性癖は、ティアリスと張るものがありますが」

トール「そのティアリスは?」

ラーズ「相変わらず、フィリア様の所か、研究室にいます。まぁ、フィリア様関係で言えば、ウェインに嫉妬していますが」

トール「仕方ないだろう。ティアリスが専属になったら、城仕えの医師が居なくなるし、ましてやフィリアからの指名だ」

ラーズ「えぇ。ウェインも驚いていましたね。何故自分が選ばれたのかと」


フィリア様とウェインが顔を合わせたのは、騎士に指名されて初めての顔合わせの時。
いつウェインを知ったのかは解らない。ただ、姉のA様から聞いたのではないかと思っている。


トール「けど、ウェインを選んだフィリーの目は確かだったな」

ラーズ「そうですね。アクセルとユアンは既に指名済みだったにも関わらず、ウェインを選んだのは良いことです」


ウェインの人当たりが良いのも確かだが、フィリア様ならセレスを選んでもおかしくはなかった。
ティアリスに関しては、行き過ぎるスキンシップがなければ、選ばれていただろう。

十二騎士達の役目 4→←十二騎士達の役目 2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.9/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:print11 | 作成日時:2018年11月22日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。