カルとユアン 決着2 ページ21
ユアン side
そう言えば、会った時からフィオって、ストレートに言ってくれてた。
あまりにストレート過ぎて、僕は固まったんだっけ。
フィオ「私、A姉様以外に、魔法で魅せられたのはユアンが初めてだった」
ユアン「え?」
フィオ「あの時のユアン、本当に綺麗だったの」
ヤバい……。
僕、嬉しいのと恥ずかしいので、意識が飛びそう。多分、顔だって、真っ赤になっているはずだ。
あれ?
フィオが何か言ってるけど、何にも聞こえないや。
・ ・ ・ ・ ・
カル side
ユアンにもう一つの書類も、フィオナ様に持って行くように伝えたかったのだが、慌ただしく出て行ったため、自分が届けに行く羽目に。
フィオナ様の部屋の扉をノックをしても反応がない。だが、話声はするので中にはいるようだ。
申し訳ないが、中へ入らせてもらう。
中に入れば、顔を真っ赤にして固まっているユアンと、そんなユアンを嬉しそうに見ていたフィオナ様がいた。状況から察するに、またフィオナ様が何か言ったのだろう。
カル「フィオナ様、ユアンに何を言ったんですか?」
フィオ「カルさっ!? い、一体いつから!?」
カル「つい先程です。それで、何を言ったんですか? 貴女の言葉はストレート過ぎて、純情なユアンには刺激が強い」
フィオ「良いの! ユアンは、私のものだもん……。姉様達にだって、あげたくないもん」
カル「心配せずとも、ユアンは貴女から離れる事はありません」
フィオ「どうして、そんなにはっきり言えるの? ユアンは、カーティス様には気に入られてるし、A姉様とトール兄様には懐いてるし、アクセル様の事は好きだし、カル様だって、ユアンを気に入ってるもん!」
カル「確かに、出来の良い弟子である事は認めます。けれど、ユアンは自ら貴女の騎士になる事を望んだ。その背景には、兄のアクセルの影響も、姉君のA様の影響もありましょう。そう不安にならずとも、ユアンは貴女に愛想をつかされるまでは、一緒にいます」
フィオ「……カル様より、ユアンの口から聞きたい。ユアン、いつも恥ずかしがって言ってくれないの。A姉様には言ってるのに、私には言ってくれない」
カル「少なくとも、A様を姉の様に慕っているのと、フィオナ様への感情の違いかと思いますが……」
というよりも、そうだとしか言わざるえない。というか、ユアンもフィオナ様も互いに好き合っているのは一目瞭然だ。まだ暫く、この幼い恋を見届けるとしよう。
ムーンパレスの兄妹とネーベルの兄妹 1→←カルとユアン 決着1
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:print11 | 作成日時:2018年11月22日 9時