皇女とカーティス 3 ページ3
A「ネーベルは、ムーンパレスと違った活気ね」
カーティス「僕は、ムーンパレスの方が良いですけどね」
露店で珍しい食べ物を売っており、つい見てしまった。
視線に気付いたカーティスは、店の前まで行き、店員に注文をした。
カーティス「一つ、頂けますか？」
店員「おう、兄ちゃん。こっちの嬢ちゃんとは兄妹かい？」
カーティス「えぇ、僕の可愛い妹です」
店員「そうか！ 一個で良いかい？」
商品を受け取り、そのまま私にくれた。店から去ろうとした時、店員から忠告を受ける。
店員「赤髪の兄ちゃん、気を付けなよ！ 最近、赤髪の男を狙った事件が多いからな！」
カーティス「ご忠告、ありがとうございます」
店から離れ、近くのベンチに座り、先程買った食べ物を食べる。
店から忠告を受けてから、カーティスの顔は険しくなっている。
A「カーティス、どうしたの？」
カーティス「
A「カーティス？」
カーティス「約束して下さい。決して、力は使わないで下さい」
いつもの飄々とした態度は消え、私は頷くことしか出来なかった。
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カーティス side
尾行されている気配は、身に覚えのある気配。恐らく昔の同業者。気配の消し方と尾行の仕方から、その可能性は高い。
だんだん人気のない場所に足を進め、相手の正体を見極めようとした。
カーティス「下手な尾行は止めて、姿を現したらどうです？ 赤髪を狙った犯罪があると聞いています。貴方がそうなのでしょう？」
？？？「やっと見つけたぞ、カーティス」
姿を現した男は、顔半分がマスクで覆われていた。顔が判らなければ、誰だか判らない。だが、一々相手の顔を覚えて等いられない。
カーティス「僕の名前を知っている貴方は、誰ですか？ 申し訳ないですが、貴方程度の暗殺者、覚えていられないんです」
暗殺者？「ふざけるな！ お前に壊滅させられた、ライドだ!!」
カーティス「あぁ……。すみません、貴方個人の事は記憶にないです」
顔の下は、さぞや苛ついているだろう。暗殺能力が高い人間は、いなかったはず。
だが、不安な感情がうごめいているのは、一体なんなのだろうか。
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作者名：print11 | 作成日時：2018年11月22日 9時
