カルとユアン 決着1 ページ20
ユアン side
昔の事を思い出していると、顔が赤くなっていくのが解った。
カル「ユアン、どうした？ 顔が赤いようだが」
ユアン「なっ、何でもないよ！」
カル「ならこの書類、フィオナ様の所へ持って行ってくれるか？」
ユアン「フィオ、さま、に？」
丁度フィオの言葉を思い出してたばかりに、師匠に名前を出されて赤くなる。
カル「ユアン？」
ユアン「いっ、行ってきまーす！」
師匠から書類を奪う形で駆け出した。その後、師匠の呟きも聞き取れないまま。
カル「どうしたんだ、アイツは……」
・ ・ ・ ・ ・
フィオ「ユアン、静かに入りなさい！ それに、ノックも無しに姫の部屋に入るなんて、不躾です！」
ユアン「す、すみません！」
慌てて入ったものだから、ノックをするのも忘れて、フィオの部屋に入った。
フィオ以外に
フィオ「それで、どうして慌ててたの？」
僕は慌てて書類をフィオに出した。本当の理由は、言えないけど。
ユアン「師匠から預かった」
フィオ「カル様から？」
フィオは書類を受け取って、目を通す。
そう言えば、フィオっていつから呼び方変えたんだっけ？
僕は、フィオと二人きりの時は、呼び捨てるけど。
ユアン「フィオ、何時から呼び方を変えたんだっけ？」
フィオ「何、いきなり」
ユアン「だって、僕と二人だけなら容赦ないけど、師匠達の呼び方、初めて会った時から変わったよね？」
フィオ「いつまでも、あんな呼び方は出来ません。私は、姫なんだから」
ユアン「そっか……」
フィオ「何か言いたそうね、ユアン」
さっきまで、昔の事を思い出してたましたから。今思うと、凄く熱烈な告白だったと思う。
ユアン「さっきまで、さ、昔の事思い出してて、熱烈な告白されたなって……」
フィオ「昔の私の言動は、忘れなさい！」
ユアン「忘れないよ！ 僕は嬉しかったんだから！」
フィオ「…………」
ユアン「僕ってさ、あんな風に誰かから必要とされたの、フィオが初めてだったし、凄く恥ずかしい事を言われたけど、嬉しかったんだ！ だから、ありがとう」
フィオ「……ユアン、貴方何言ってるの？」
ユアン「え？」
フィオ「私はあの時、貴方に一目惚れした。魔法を使った貴方が綺麗だったから」
放心している僕を他所に、フィオはどんどん話をしていく。
一目惚れって……。フィオって、言ってて恥ずかしくないの？
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作者名：print11 | 作成日時：2018年11月22日 9時
