カルとユアン 2 ページ14
ユアン side
カル兄ちゃんではなく、師匠に言われて、積み重ねられた本を開いた。ついでに、トールギス兄ちゃんとA姉ちゃんの事は、様付けするように言われた。
与えられた本は、難しくて読めない所があって、読み進めれなかった。
ユアン「師匠、ここは何て読むの？」
カル「…………」
ユアン「……師匠？」
カル「ユアン、読み書きはどこまで出来る？」
ユアン「よく解らない。教えてくれたのは、兄ちゃんだったから」
カル「……そうか」
師匠は少し考え込み、僕が開いた本に手をかざした。
青い文字が浮かびあがり、読めなかった文字が読めてくる。
ユアン「師匠、これも、魔法なの？」
カル「そうだな。ただし、読める文字なら、今みたいに文字を浮かべれるが、古代文字等読めないもの、読みにくいものは時間がかかる。あぁ、魔王の伝記とかもそうだな」
ユアン「魔王？ お伽噺の？」
カル「……今は気にせず、それを読め。そして、内容について纏めたものを教えろ」
ユアン「はい」
本の文字が読めるようになってからは、ひたすら読み進めた。
僕が今読んでいるのは、ムーンパレスの
ムーンパレスの国王、シュタイナー様。王妃のレベッカ様。その子に当たるのが、上から、トールギス様、A様、フィリア様、フィオナ様の四人兄妹。
僕はまだ、フィリア様とフィオナ様にはまだお会いした事がない。でも、トールギス様とA様のように、優しい人だと思う。
僕が知っている文字で、内容を紙に纏める。
国王様は勿論凄い人だけど、トールギス様とA様も凄い人なんだと解った。
トールギス様は、皇子、皇女専用の騎士を作ろうとしていて、そこには師匠を含め、ラーズ様とカーティス様、僕の兄ちゃんも入っている。
僕も、トールギス様の作る騎士に入れるかな。
A様は、内政面の手伝いをしていたみたいで、実際のムーンパレスの今の政治の礎は、A様が作ったらしい。
兄ちゃんよりも年下のA様が、今のムーンパレスの政治を作り上げたらしい。
凄いなぁと思って、紙に書きあげていく。それでも、気になった事は聞かずにはいられない。
ユアン「師匠。A様って、どうしてこんなに政治に詳しいのかな？」
カル「あの方の頭の中は、私にも解らない。だが、国を良い方向へ導いているのは確かだ」
質問すれば、師匠は無視せず答えてくれる。作業をしながらでも、耳は傾けてくれている。
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作者名：print11 | 作成日時：2018年11月22日 9時
