愛して「2」 ページ3
「おはよう〜Aちゃん」
『おはよう。〇〇ちゃん』
「お、白銀!昨日のお笑い番組見たか?」
『見たよー!面白かったよね!』
クラスに着くと他愛のない話で盛り上がる。
この時間は好きだ。自分の中のドス黒い何かがスッと消えるような
そんな感じがする。
でも時々空気が読めない奴が居る。
「Aちゃんって黒尾君と付き合ってるんでしょ?最近どうなの!?」
──チクッ
ほらまた。ココロにヒビが入っているような…
穴がぽっかり空いたような感じ。
でも私はそれに気づいてないように
『めっちゃ優しいんだよー!黒尾ったら面白くて!
あ、ねぇねぇ!ニュースでさ?あの有名なモデルとアイドルの浮気疑惑見た?』
今日も有りもしない話を作り、
またその話が続かないように別の話題を出す。
そうやって何度も交してきた。
自分の事を聞かれるのが嫌で…
彼氏との仲を聞かれるのが嫌で…
また偽る。
時間もだんだんと進み、昼休み。
私はいつも一人で食べようとするのだけど
お節介な者が
「Aちゃん!黒尾君の所行ってきなよ!」
そう言われて、皆私に遠慮する。
巫山戯るな。
何で私が傷つかないといけない?
あそこに行っても冷たい目で見られるだけ。
でもそんな事も言えない弱虫な私は
『うん!行ってくる!!』
そう" 作った笑顔 "で教室を出ていく。
『すいませーん。黒尾居ますかー?』
これで何回目だろう。
黒尾に会いに行ったのは
そして
「またお前来たの?わりぃけど昼飯は研磨達と食うっていつも言ってんじゃん」
冷たい目で見下される。
『ッそっか!ごめんね…?じゃあバイバイ!』
無理してまで笑顔を作り、
急ぎ早しで裏庭に行く。
『ッはぁ……!……はぁ…はぁ』
ここには誰も居ない。来ないから
ここが私の唯一の居場所のようなもの。
ここが1番……
──安全──
『……さっ!食べよっ』
独りでお弁当を開け、独りで食べる。
──ポロッ
あれ?
なんでだろう
もう独りは慣れてる筈なのに……
もう乾いてしまった筈なのに……
『……うッ……ひ、ひくッ……ぅ…』
───────────こんなに涙が出てくるだ。
243人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わたがし(プロフ) - あぁ...相変わらず面白いです...ちょっと悲しい系?はあんまり見ないんですけどこれはめっちゃ好きです!頑張ってください! (2018年8月27日 20時) (レス) id: c9d59761fa (このIDを非表示/違反報告)
ホタル - あぁ続きが早く読みたい…… (2018年8月24日 17時) (レス) id: 2022abf856 (このIDを非表示/違反報告)
にっしー - 大好き。 (2018年8月9日 10時) (レス) id: 396b4cc1e0 (このIDを非表示/違反報告)
かまいたち(プロフ) - お久しぶりです!待ってました!本当に今回も面白かったです〜!これからも生意気ですけど頑張ってください! (2018年8月6日 15時) (レス) id: 2b99168124 (このIDを非表示/違反報告)
RIRINGO(プロフ) - そうですよね…疑心暗鬼になるのもわかりますよ…(T_T)無理しないでくださいね (2018年8月2日 13時) (レス) id: 0d8d30fe99 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ