恋愛チェリー【不死川実弥】

08. ページ9

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閉め切られた窓とカーテン。
日の差し加減で時間を測ることはできない。



スマホはどこだったかと、辺りを見渡すと、入口付近に全ての物が揃っていた。



意外と余裕のない奴だな、不死川。
まさか入口で身ぐるみを剥がされるとはな。



だるい身体を起こし、スマホで時刻を確認すると午前9時。


今日が土曜日で良かった。平日なら余裕で遅刻だ。




持ち物を掻き集めて、脱衣場へ行くと鏡に映る自分の姿に絶句する。






意外。独占欲が強いのか？


どうやって隠すんだという程の無数の鬱血痕を鏡で見ていると、鏡越しに不死川と目が合った。




『……おはよう』


「はよ、」




流石に恥ずかしいので身体にバスタオルを巻くとククッと笑いながら、すげぇーなァ、と指を差される。




あんたがつけたんでしょうが。




肩を持たれ、くるりと体を反転させられ不死川と向き合う。



あ、ヤバ。私も結構つけてたのね、、、



その事を指摘されるのかと思っていたら、不死川は視線と指は鏡を差していた。



肩を持たれている為、顔だけ鏡に向けると、少ししか見えない背中が凄いことになっていた。



慌ててタオルをズラして確認する。




『ちょっと！流石につけ過ぎでしょ？！馬鹿じゃないの？！』


「わりィ。内太股見たァ？」


『はぁ？！どんだけつけんの好きなの！』




少し声を荒げて言うと、不死川はくるりと背中を向けた。



「すげェーヒリヒリすんだけどォ。」


『………すみませんでした。』



不死川の背中には目新しい引っかき傷と歯形。
わー歯形の所内出血してるー！


『痛い？ごめんね、良すぎた』


流石に痛そうで申し訳ない。
意味はないとは思いながら、患部を擦る。


いや、本当に、マジでごめん。



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