レッドライン2【不死川実弥】

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何だよこのむず痒い雰囲気はァ！
息苦しい！ｸｿ！


Aから視線を外して手を引くだけで、いっぱいいっぱいの自分が情けねェ。

そんな事を思っていると



突然、ぐっと手を引っ張られ、もう片方で胸倉を掴まれる。



触れるだけのキスをされ、呆気にとられていると
　

『仲直りね！』と笑うA。


コイツは…バスケと一緒で不意打ち、タイミングをはずすのが上手いんだ。


いきなりのキスがどんだけ心臓に悪いか知ってるかよォ。


全身が痒くなりガシガシと後頭部を掻く。



「理由、もう必要ねェだろォ？」

『ふふ、レッドライン超えちゃったもんね！』

「レッドライン？」

『妹と彼女、超えてはいけない一線。』

「……俺は初めてキスした時からとっくに超えてるつもりだったけどなァ。」

『は？え、初めてって…実弥いつから私の事好きだったの？』

「……今言っただろうがァ。だから鈍感だって言ってんだァ！バーカァ！」

『実弥だって！私が実弥の事ずっと好きだった事気づかなかった癖に！ばーか！ばーか！』

「阿呆かァ！俺のが先だわァ！Aの初恋は煉獄だろうがァ！」

『………よくそんな昔の事を…えー実弥、私の事大好きじゃん！』

「……………………………そーだよォ、悪ィーかァ。」

『へ？あ、いや、悪くは、ないけど。』

「………」

『よし！バスケしよ！バスケ！なんかムズ痒い！』

「色気ねぇーなァ。まぁ、Aらしいけどォ。」



互いに笑っていつもの俺たちに戻った。

今までと違うのは、手とキモチが繋がっている、それだけだ。




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