風柱とズルい継子の関係。【不死川実弥】

39.決着…？ ページ39

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「で？何でアンタまでいンだァ？」


どうマウントを取ればいいのか頭をフル回転させていれば、宇髄さんと戯れていた(？)師範が勝手口にもたれながら煽り女子に尋ねる。煽り女子に話掛けているが視線は私で。なんかすんんんんんごい睨んでる。


「実は…Aちゃんが実弥さんに私の手料理食べて欲しいって…自分は独り立ちしてここから出て行くから、実弥さんの身の回りの事お願いしたいって…」

『え？！言ってない！言ってない！言ってませんことよ？！』


頬を染めて、目をうるうるさせて何言ってんの？！私が男なら速攻引っかかってる！でも！師範は引っかからないで！


「……」


いやいや、無言て！引っかかちゃってんの？！コロっといっちゃってんの？！


「Aちゃん…どうしてそんな嘘…お似合いの二人だって言ってくれたのに……」

『えええええええ！？』


酷いわ…！そう言って師範の腕に軽く触れ、涙を零した煽り女子。あ、ダメだ。コレは落ちた。


この人に口で勝てる気がしない。
クソが！と睨め付けるように二人を見ていれば、師範はわざとらしく大きな溜息をつき彼女を引き離した。


「今朝も言ったが、鬼の情報が勘違いだと分かった以上これ以上アンタと関わる気はねぇ。堅気守ンのも鬼殺隊の任務、礼なんざいいからここへはもう来るな。」

「そんな…事、言わないで下さい…」


分かってますよね、私の気持ち…そう言って綺麗に流した涙。思わず見惚れてしまったが、待って、私何見せられてんの？！


「悪ィが応えられねェ。他当たってくれ。」

「そんな！他だなんて…私には実弥さんしか…」

「アンタなら大丈夫だろ。ひと月前まで伊黒に纏わりついてたじゃねぇか。」

「『え』」


ま、まさかの伊黒さん→師範？！
衝撃的な展開に唖然としていれば、何だ何だと集まって来た柱たち。居た堪れなくなったのか彼女は顔を真っ赤にして去って行った。



『えっと、師範、お聞きしたい事が山ほどあるんですが。』

「心配しねェでも伊黒は甘露寺しか見てねェ。」


そこはミリも心配してません。
アホだな…まぁ、そんな師範だからまだ一番近くに居られるのかもしれないけど。




兎にも角にも煽り女子はもうここには来れないだろう。(多分)これで今まで通り穏やかに過ごせる。安堵をする私を横に師範は溜息まじりに呟いた。


「鬼殺隊(俺ら)に色恋なんざしてる暇はねェ。」

『………そうですね。』


師範に恋仲が出来るのはまだ先らしい。
嬉しい筈の言葉が胸に刺さったが、気づかないフリをした。




あさひ(よいお年を！)

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