風柱とズルい継子の関係。【不死川実弥】

41.ついに見つけた、あの…… ページ41

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駆けながらチラリと、斜め右を盗み見た。


ついさっき見上げた月は、円に近い。
だから今夜の師範は、元より少し若いかな？(言い方)という見た目をしている。つまり。



『今夜は刀振れるし、戦ってくれますよね師範！』


「あ？ 甘ったれンじゃねェ。斬れる鬼ならお前が斬れ」



何ほざいてやがる、とでも言わんばかりに、眉を寄せた師範。

え、まじか。もう結構、柱までカウントダウンなのに……！



(……でも私が柱になりたくない理由、師範には理解できないんだろうなあ)



まだ、その傍に居たい。
師範にとっての、特別な存在でいたい。

そんな風に思ってしまう自分の感情の正体は、もうさすがに＿＿＿



(わかっては、いるんだけどさ)



煽り女子に言い寄られてたのを見て、イラッとしたのも。盗られたくないなんて思ったのも。

全部全部、師範だから。



相手が悪かったか、なんて柄にもなく小さな溜息をついてから、スピードを上げた師範に続いた。













「………この辺りか」



鎹鴉の案内で辿り着いた先は、人里から外れた廃寺だった。


すでに陽の落ちた暗闇、しかも山の中とあっては人の気配も無く。

襲われている人が居ないのは良かったと、ひとまず胸を撫で下ろした＿＿＿＿次の瞬間。



「お前らには見覚えがある」



耳障りの悪いダミ声。
暗闇に光った目。


鼻を掠めた血の匂いと嫌な気配は、間違いなくそれが鬼だと知らしめてくるけれど。


…………それだけじゃ、なく。



「……偶然だなァ。生憎こっちにも、見覚えがあンだわ」



その鬼に負けない程、大きな瞳をギラつかせた師範が、そんな台詞を吐く。


そうだ、この鬼＿＿＿＿



『師範！ これ！この鬼！！ 師範を夜の不能にしたあのっ…………、いだだだだだスミマセンデシタァ！』



とりあえずテメェは黙ってろォ、と青筋をビッキビキに立てた師範の左手が、私の頭を全力で潰しにきた(泣)

いや泣いてる場合じゃない、ついに見つけた！！



「わかってンだろうなァ、A」



全身からものすごい殺気を放ちながら、師範は刀へと手を掛ける。

その姿に圧倒されつつも、コクコクコクと首がもげる程に頷いた。


もちろんです！もちろんわかってますよ師範……！！



『っ、師範の討伐のお邪魔にならないよう、私は手を出しません！！』


「まずはテメェからぶった斬っかァ……？」


『やだもう冗談だから！身命を賭して、サポートさせて頂きますです！！』



ひよ

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