風柱とズルい継子の関係。【不死川実弥】

34.聞いてよ煉獄さん！ ページ34

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ふう、と思わずついた溜息は、自覚するよりも大きかったらしい。


既に(信じがたいスピードで信じがたい量を)食べ終えていた煉獄さんが、手に持った湯呑みをことりと置いた。



「ふむ………何やら思い悩んでいるようだな！先程から俺の継子になるだのと…………不死川と喧嘩でもしたか！」



仲が良いな！と快活に笑う煉獄さんに悪気はない。知ってる。でも今の私に、その名は禁句だ。



『喧嘩なんかしてません！一応さっきも言いましたけど風柱は、』


「…………女にうつつを抜かしている、と？」


『聞いてたんだ！』



煉獄さんて、他人の話は聞かない人だとばかり。(失礼)ある意味、冨岡さんと似てないのに似てるというか。(真理)


私の失礼発言はスルーされ、煉獄さんは「ふむ」と腕を組んだ。



「不死川がそんな男とは思えないがな！」


『でも……』


「柱の中でも不死川は特に、悪鬼滅殺への想いが強い！ 無論、鬼狩りが恋愛をしてはいけないという訳では無いが……」



うつつを抜かすというのは信じがたい！と。

かっ開きっぱなしの曇りなきまなこで、煉獄さんは結論を出す。



………実は前からちょっと気になってるんですけど、煉獄さんてドライアイとか大丈夫ですか？



「君は不死川と、きちんと話をしたのか？ やもすれば、誤解ということも」



少し柔らかな表情に変え、煉獄さんは私を諭すように続けた。



私だって、師範はそんな人じゃないと思ってた。
私の誤解ならいい、って。

でも。



『………でも師範は、』



あの女に平気でまとわりつかせてたし。
屋敷にまで出入りさせてたし。
挙げ句………



『(子供の姿だから鬼狩りでは)役立たずの不能なくせに、あの女と夜を明かしたんです！』



もう聞いてよ奥さん！なノリの大声で、師範の悪行を煉獄家の中心(居間)で叫べば。



「よもや！！」


「ふ………ふの、」



更にお目々をかっ開き、お決まりのセリフを叫んだ煉獄さんと、お顔を真っ赤にして口ごもった千寿郎くん。


え。私そんな変なこと言った？
夜になると師範がお子様になっちゃうの、煉獄さん知ってたよね？？



………………と、その時。



「………テメェはァ………他所(よそ)様の屋敷で何を阿呆なこと、デケェ声で抜かしてやがる……！」



溢れんばかりの殺気を隠そうともせず、煉獄家の庭へと降臨したのは＿＿＿＿



(一応まだ)我が師範、だった。



ひよ

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