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33. ページ34

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ずっと煉獄さんだけを見てきた。


それなのに、任務だからと理由をつけているが、
私は、昨夜、あの時、
実弥さんが本気で接吻すると思っていたのに、近づく唇に胸を高鳴らせ、瞳を閉じたんだ。




このままじゃ私が私でなくなってしまう。
何かが壊れてしまう、その前に言わないと…!





言わないと…



無邪気な顔をして蟹と戯れる実弥さんに。


綺麗な貝殻を見つけて、ぶっきら棒に私に渡す実弥さんに。


海に足をつけ、キラキラと輝く実弥さんに。



い、言いにくい…凄く。物凄く…っ!
でも、言わないと…



一度大きく深呼吸をしてから、少し離れた実弥さんに向けて声を張った。



『実弥さん…!』



名を呼べば、彼は
バシャバシャと水飛沫を上げながら私の元へ来た。


目の前に立ち真っ直ぐ見据える実弥さんに、一瞬視線を逸らしてしまったが、私は重い口を開いた。



『実弥さんに…言わなければいけない事があるんです。』


「………言わねェでいいつったろォ?ソレ考えてンな浮かねェ顔してんのかよォ。」


『でも…コレは、ちゃんと言わないと…実弥さんに失礼…』



言い終わる前に顎を救われた。



「俺がいいつってんだァ…これ以上喋ンじゃねェ。」



任務は完了してる。
これは、公私混同じゃねぇからな。



そう言って顔を寄せる実弥さんを拒否することは出来たのに


紫苑の瞳で見つめられると金縛りにあったかの様に動けなくなった。





少しずつ、少しずつ近づく距離に

私はまた、心拍数を上げるだけで、

何も出来なかった。





好きでもない男に

触れられていると言うのに。





初めて…

唇を重ねたというのに。





ズルイ私は、

拒む事も、腕を回す事もできず。

ただ、彼の唇を受け入れた。





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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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あさひゆうひ(プロフ) - 京華さん» ナニシテンノ?おめめ心配。寝ろ寝ろ寝ろ。 (2月5日 5時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 初コメント失礼致します(いやこれ何でコメントしてないの?え?読んでたよね?と困惑。バグってんの?まぁいいや←)一気読みしてしまいました。惚れてくれてる実弥イイ!笑いながら読んじゃいました。眠いのに実弥熱が沸き起こって眠れないけど寝ます。また書いて。 (2月5日 1時) (レス) @page50 id: bb9635485e (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - なおさん» 完結して随分経つ話にコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!鴉たち頑張りましたー! (2022年7月28日 23時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
なお - 鴉すごっ!天才やん そしてあさひゆうひさんもこのお話を考えれるなんて天才だよー 天才過ぎてヤバイ 不死川さんたちお幸せに!! (2022年7月26日 22時) (レス) @page50 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 環さん» 環ちゃん!久しぶり…!まさか読んでくれたとは!!!オチを書きたいだけのお話でした。コメントありがとう!とっても嬉しかったです♥ (2022年4月7日 23時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あさひゆうひ | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2022年2月2日 10時

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