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夜に…なってしまった。
私は、敷かれた布団をただ見ていた。
有力な情報は入手出来た。
だが、これからどうするか。どういう作戦にするのか。
どうしても切り出す事が出来なかった。
人じゃありませんでした。
ソイツは、深夜皆が寝静まった頃僕らの前に現れました。
その、言いにくいのですが……夜伽の、最中に…
幸せそうな夫婦が憎いと、
「リア充爆発しろ!」
と古いんだか新しいんだか分からない事を言っていました。
僕ら夫婦が助かったのは…その…、
妻が化粧映えするタイプでして…
妻の素顔を見たソイツは僕の肩を叩いて、
「これから苦労するな」「生きてりゃいい事もある」
そう言って親指を立てて去っていきました。
以来、妻はショックで寝込んでしまい…
僕だって…
僕だって詐欺だと思ってましたよぉぉぉおお!!!!!
そう叫んだ被害男性は、襖を開いた奥方様に手刀をくらい、ズルズルと連れて行かれた。
何だ。この茶番は。
でも、放っておく訳にはいかないし…。
この情報からすると、
鬼を誘き寄せるのに一番手っ取り早い方法は実弥さんと床を共にすることだろう。
血鬼術も五感の何処が優れているか分からない鬼。
果たして何処まで真似事をすればいいのか…。
実弥さんは今、何を考えているんだろう…
仮にも恋仲である私達。
もしかして…実弥さん…
そう思うと、冷や汗が流れた。
どうしよう。どうしたら…
恐る恐る顔を上げ、実弥さんを見た瞬間。
布団の上に押し倒された。
体温と心拍数が伝わってきて、
慌てて実弥さんの胸を押し、空間を作れば、
実弥さんの真剣な表情に困惑した。
待って、実弥さん…、まさか本当に…?
力を込めた腕は「A」と名前を呼ばれて力を無くした。
ゆっくりと近づく唇に私は……
何の抵抗もせず、瞳を閉じた。
唇にしては硬い感触に目を開くと、
それは、唇ではなく彼の親指だった。
「公私混同はしねェ。」
安心しなァ、そう言って、下に隊服を着ているか確かめられた後、実弥さんは荒々しく帯を解いた。
フリだけだ。
でも、分かっていても、心臓が暴れて仕方がない。
衣擦れの音、実弥さんの吐息に
演技ではなく思わず小さく声が漏れた。
___恥ずかしい。
フリだけなのにその気になっているみたいで。
瞑った目を開くと、目を見張った実弥さんは、顔を埋めるだけだった首筋に唇を這わせた。
そうして、実弥さんの手が腰から上へ上へと這っていき、ついには…
「『_____っ!!!!!』」
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あさひゆうひ(プロフ) - 京華さん» ナニシテンノ?おめめ心配。寝ろ寝ろ寝ろ。 (2月5日 5時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 初コメント失礼致します(いやこれ何でコメントしてないの?え?読んでたよね?と困惑。バグってんの?まぁいいや←)一気読みしてしまいました。惚れてくれてる実弥イイ!笑いながら読んじゃいました。眠いのに実弥熱が沸き起こって眠れないけど寝ます。また書いて。 (2月5日 1時) (レス) @page50 id: bb9635485e (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - なおさん» 完結して随分経つ話にコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!鴉たち頑張りましたー! (2022年7月28日 23時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
なお - 鴉すごっ!天才やん そしてあさひゆうひさんもこのお話を考えれるなんて天才だよー 天才過ぎてヤバイ 不死川さんたちお幸せに!! (2022年7月26日 22時) (レス) @page50 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 環さん» 環ちゃん!久しぶり…!まさか読んでくれたとは!!!オチを書きたいだけのお話でした。コメントありがとう!とっても嬉しかったです♥ (2022年4月7日 23時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
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