22. ページ23
.
何時までもこんな恰好でいてはいけないと、
着替えた後、大量に買い占めた薩摩芋を料理をしていると、表から想い人の声。
慌てて上り口まで行き私は、滑り込み土下座をキメ込んだ!
『先程はお見苦しいモノをお見せしてしまい、大変申し訳ございませんでした!』
「すまない!A!!!」
ほぼ同時に叫ぶように言った謝罪。
顔を上げると玄関先で煉獄さんも深々と頭を下げていた。
「すまない!声をかけたが、返事がなかったので庭にまわった!」
もう一度謝罪をしてから、しっかり見てしまった!とまで正直に教えてくれた煉獄さん。
出来れば…心に留めておいて欲しかったです…。
『ひき、ましたよね…こんな筋肉ムキムキな傷だらけの身体…。』
「む!よもやそんな事を思っているとは!君が責務を全うする為、努力して手に入れた素晴らしい体だ!名誉ある勲章!恥ずべき事等ひとつもない!」
君は美しい。そう言ってまっすぐ見据えられた。
恥ずかしい程直球の言葉。
でも、この人が口にする言葉は裏がなく、素直に嬉しい。
誰かに認めて貰ったり、褒めて欲しかった訳じゃない。
女を捨てて自分が選んだ道。その結果の身体。
後悔なんてない。
……でも、やっぱり、女だから。
好きな人から、女としての価値を下げた体でもそんな風に言われたら…
煉獄さんはそうやって簡単に私を救ってくれる。
何時も肯定してくれるから、少しだけ自分が好きになれる。
私が選んで来た道は、間違ってないと思える。
ありがとうございます。
好きです、大好きです。
そう言ってしまいたかった。
思わず口から出てしまいそうな想いを笑顔で隠し、
さぁ、中へどうぞと煉獄さんを部屋に招き、薩摩芋尽くしの料理達を食卓に並べた。
◇
私が作った料理を次々に口へ運び、その度に出る褒め言葉。
もはや、うまい!とわっしょい!以外の語彙を失くしている。
この人の為に毎日ご飯を作ったり、
こうして一緒に食卓を囲む毎日はどれほど幸せだろうか。
こんなに気持ちよく食べてもらえれば、作り甲斐があるし、私のそれ程無い料理の幅も広がるだろう。
まぁ、もし相手が実弥さんなら、私より上手に作ってくれそうだけど。
そうして、二人で並んで作ったり……
………………は?
なんでそこで実弥さん???
……まぁ、なんにせよ
無惨を倒すまで私にそんな未来有るハズない。
慕う相手と一生を添い遂げたい。
今の世では、そんな小さな願望を願う事すらさせて貰えない。
.
370人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさひゆうひ(プロフ) - 京華さん» ナニシテンノ?おめめ心配。寝ろ寝ろ寝ろ。 (2月5日 5時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 初コメント失礼致します(いやこれ何でコメントしてないの?え?読んでたよね?と困惑。バグってんの?まぁいいや←)一気読みしてしまいました。惚れてくれてる実弥イイ!笑いながら読んじゃいました。眠いのに実弥熱が沸き起こって眠れないけど寝ます。また書いて。 (2月5日 1時) (レス) @page50 id: bb9635485e (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - なおさん» 完結して随分経つ話にコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!鴉たち頑張りましたー! (2022年7月28日 23時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
なお - 鴉すごっ!天才やん そしてあさひゆうひさんもこのお話を考えれるなんて天才だよー 天才過ぎてヤバイ 不死川さんたちお幸せに!! (2022年7月26日 22時) (レス) @page50 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 環さん» 環ちゃん!久しぶり…!まさか読んでくれたとは!!!オチを書きたいだけのお話でした。コメントありがとう!とっても嬉しかったです♥ (2022年4月7日 23時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ