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___2週間前。
私が書いた恋文を持った不死川さんの出現に頭がついていかず、唖然としたが、何時までもだらしなく口をあんぐりしている訳にはいかない。
我に返るようフルフルと頭を振り、間違いだったと告げようとすると、行くぞォ、と手を握られた。
………………
____手を握られた!?!?!?
『……メポ!?』
「……」
『あ、いえ、すみません、びっくりしてしまって…』
「……恋仲なんだからこんぐれェの事すんだろうがァ…」
ビビった…ビビリ過ぎて思わず不死川さんの中の人…いや、声質がよく似た妖精の語尾が出てしまった…。
てか、なんか不死川さん顔赤くない???
え、この人本当に泣く子も黙る風柱様ですか?
鬼より怖いと定評のある不死川さんですか…?
不死川さんの表情に私の顔面がピクピクと引き攣っていると、不死川さんは私の手を引き歩き出した。
え?????
何処行くの?どこ連れてかれるの???
何この状況。全く展開についていけないんだけど。
てか、待って。
そもそもの話をしてもいいですか?!
まずはそこからだよね?!?!?!
このまま不死川さんのペースに呑まれてはいけないと、不死川さんの手を引っ張り足を止めた。
こんな事を聞くのは恥ずかしいのだが…と躊躇しつつも振り返った不死川さんに私は問いかけた。
『あ、あのー…。つかぬ事をお伺い致たしますが………
不死川さんは……その、私の事が…
………………………………好きなんですか…?』
言った瞬間、不死川さんからビキッ!と言う音が聞こえた。それはもう、ハッキリと。
そうして、ゆらりと空気が揺れるほどの威圧感、鋭い眼光に私の筋肉が強張った。
「テメェの頭は味噌滓かァ…?」
『みそ……』
「恋仲になるつってんだろォ!それ以上ねぇだろ!」
『………………え?つまり、好きって事ですか??』
「っ!言わねェでも分かんだろうがァァァァ!!!!!」
チッ!と大きめな舌打ちをお見舞いされ、ドスドスと足音をさせながら早足になる不死川さん。
そんなに怒らなくても…分からないから聞いただけなのに…。
「チンタラしてんじゃねェ!さっさと歩けェ!」
『は、はいっ!』
えー、、、
コレが好きな相手にする態度…?
いや、違うな。
コレは絶対に私の事が好きじゃない…!
絶賛片思い中の私だから分かる!
好きな相手にこんな態度がとれるはずがない…!
だとすると…
何故彼は私と恋仲になる事を了承したんだ…?
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あさひゆうひ(プロフ) - 京華さん» ナニシテンノ?おめめ心配。寝ろ寝ろ寝ろ。 (2月5日 5時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
京華(プロフ) - 初コメント失礼致します(いやこれ何でコメントしてないの?え?読んでたよね?と困惑。バグってんの?まぁいいや←)一気読みしてしまいました。惚れてくれてる実弥イイ!笑いながら読んじゃいました。眠いのに実弥熱が沸き起こって眠れないけど寝ます。また書いて。 (2月5日 1時) (レス) @page50 id: bb9635485e (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - なおさん» 完結して随分経つ話にコメントありがとうございます!とっても嬉しいです!鴉たち頑張りましたー! (2022年7月28日 23時) (レス) id: 62b927337a (このIDを非表示/違反報告)
なお - 鴉すごっ!天才やん そしてあさひゆうひさんもこのお話を考えれるなんて天才だよー 天才過ぎてヤバイ 不死川さんたちお幸せに!! (2022年7月26日 22時) (レス) @page50 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 環さん» 環ちゃん!久しぶり…!まさか読んでくれたとは!!!オチを書きたいだけのお話でした。コメントありがとう!とっても嬉しかったです♥ (2022年4月7日 23時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
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