事情により風柱と恋仲になりました。

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無言で手を引かれて歩く中、
私の頭の中は忙しく作戦を立てていた。


煉獄さんに恋文を出した事がバレずに、不死川さんを傷つける事も無い作戦を。



よし、これでいこうと脳内会議で可決された作戦を実行すべく私は沈黙を破った。



『不死が…実弥さんの嫌いなタイプの女性を教えて下さい！』

「……は…？」

『今後の参考に！是非!!!』



作戦1.
嫌いなタイプの女性を聞き、そういう女になりきる。
私の名演技を見せてやろう。
ふふ。数時間後には頼むから別れてくれ！と頭を垂れる不死川さんが目に浮かぶわ…！





「…………そのままでいい。そのままのAで。」

『…………は？』

「……ありのままのAを受け入れるくれェの度量は持ってらァ…」



何言ってるんだこの人？



あ。そうか…



しまった…
この聞き方では私が不死川さんの事が好き過ぎて嫌われないように必死の女に見えたのか…。



誤解だ不死川さん…！
いやだがしかし、聞かなければ分からない。
不死川さんが堪らず振りたくなる女のタイプが…。



『……じゃーどんな女性が好きですか…？』

「あ？ンなもんねぇよォ。」



ねぇのかよ。クソの役にもたたねぇな。
はぁ、とわざとらしく溜息をつくと、強いて言えばと前置きして不死川さんは口を開いた。





「……阿呆な女はあんま好きじゃねぇなァ」





………………は？





結局苦手なタイプ答えんのかい！
しかも…阿呆な女は好きじゃないって！


喧嘩売ってんのか？
阿呆は私の代名詞だよ！
ツッコミが追いつかねぇだろうが…！



『……私アホですよ？初めまして、こんにちは。アホAです。』

「……知ってる。」

『……。』



どういうこと…？
阿呆な女が嫌いなのに。
私がアホだと知ってるのに、恋仲になる事を受け入れたの…？


嫌いな相手と恋仲になれるものなの？


不死川さんの事を考えれば考える程分からなくなる。


ただ、一つ言える事は、
やっぱり嫌いじゃん！私の事！



そんなに私が気に入らないなら、



さっさと振ってくださいよぉーーー!!!!!!!



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