深愛―しんあい―【不死川実弥】

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「私達二人は、本日皆様の前で結婚式を挙げられる事を感謝し、ここに夫婦の誓いを新たに致します」


「今日という日を迎えられたのも二人を支えて下さった皆様のおかげです」


「これからも親子3人で力を合わせて苦難を乗り越え、喜びをわかちあい…」





「ぶっ！スミマセン…」

「お気持ちはよく分かりますよ、蜜璃さん。新婦すら笑いを堪えるのに顔が引きつっていますしね。」

「ぶはっ！ど派手に似合わねぇなぁ！冨岡のお義父さん！！」

「気味が悪いな。冨岡のお義父さん。」

「む！よもや！不死川は冨岡のお父さんだったのか！」

「ムフフ」

「…テメェら…いい加減に…」

『はいはーい！ストップ！
これ以上実弥くんをブチ切れさせないで下さい！

本当はね、実弥くんが皆に誓いの言葉を言って、私は名前だけ言うつもりだったんだけど、
やっぱり今、私が思ってる事を皆に誓うね！』


そう言って、マイクを要求するA。

俺がこれ以上何言っても締まらねぇか、と決まりが悪ィから舌打ちをしてマイクを渡した。


Aはにっこりと笑い、面白かったよ、と言ってやがったが、

俺は至って真面目に誓いの言葉つーのを読んだだけだァ…。



『皆様！
しつこいって怒られそうだけど、改めて、私達親子3人をずっと支えて下さってありがとうございました！

皆が居たから私は戻って来れたと思う！
実弥くんと楓ちゃんと家族になれたんだと思う！感謝してもし足りません！

もしも、
皆に何かあったら私達が一番に助けるよ！
今度は私達が恩返しする番だから！
本当に今までありがとう！


私は…
もしまた記憶がなくなっても
何度でも実弥くんに恋をするし、
楓ちゃんのママになりたいって思う！

絶対、離れないって、
ずっと一緒にいるって皆に誓うから！

だから…
これからも私達の事、見守っててね！！









ついでに！
もうすぐ4人になるから！
家族4人になっても宜しくお願いします！』









「………………………はァ？」



わっと起こる歓声と拍手についていけず、
だいぶ遅れて間抜けな声を上げれば、俺の顔を見てケラケラ笑うA。

嬉しいとか驚いたとかそれよりも……



「馬鹿野郎！何ヒールなんて履いてやがんだァ！さっさと脱げェ！大丈夫なんかァ？何ヶ月だ？腹張ってねぇのかァ？悪阻はァ？」



俺の様子にケラケラと笑うAに
ん、と差し出された左手。
ヤラレっぱなし自分に小さく溜息をつき、






俺たちは２度目の誓いをした。




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