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次の日。


スマホの着信音で、ふっと我に返る。

電話だ。

たぶん、メンバーからだろう。

照とか?

手を全力で伸ばして、スマホを手に取る。

ディスプレイに表示されていたのは、「ひかる」の文字。

やっぱりな、と思いながら「応答」をタップする。

大体どんな話かは、もう見えている。


岩本「もしもし、ふっか」

深澤「照」

岩本「マネージャーさんが迎えに来てくれるから、みんなで病院に行こうと思う。できるだけ早く行きたいから、準備早めでお願い」

深澤「分かった。てかさ、この話、LINEでよくない?」

岩本「昨日10時過ぎにLINE送ったよ。ふっかだけ既読つかなかったから、今電話してるんだよ」

深澤「あっ…ごめん…」


昨日の着信音は、それだったのか。

照、マジでごめん。


岩本「まあ、今電話出てくれたからいいよ。じゃあ、後で」

深澤「OK」


予想していたことではあったと同時に、今行っても何もできないという虚無感に襲われる。


しばらく放心状態で突っ立っていたけれど、照の「準備早めでお願い」という言葉を思い出して、慌ててシャワーを浴びる。


頭から水をかけると、泡がいきおいよく流れ落ちて、消えていく。

そんな感じで、昨日のこともなかったことにできればな…。

気が付くと、泡はすっかり落ちているのに、ずっとシャワーを出しっぱなしにしていた。


急いでシャワーを止めて、洗濯した後そのまま床に放置していた服に着替える。


着替えてスマホ、財布、マスクを手に取ったところで、チャイムが鳴る。

マネージャーさん、思ってたよりも来るの早いな。


何か食べたかったのに、そんな時間はない。

ちらっと鏡を見ると、顔が浮腫んでいる。

気にしている暇もなく、オートロックを解除する。


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作者名:まっちゃ | 作者ホームページ:No.  
作成日時:2022年1月5日 10時

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