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仮眠室のドアを開けると、いたのは。


松村「慎太郎、なんで」

京本「それも含めて話してもらうから」


森本「とにかくごめん!」

松村「…なんで俺が謝られるの?」

森本「俺が、北斗にカルテやらせてたから…」

松村「俺の机のカルテ…」


ようやく話が理解できた。

松村「…内科?」

森本「うん」

松村「…そういうことか」


森本「で、俺カルテほしいんだけど、入力とかやったことなくて…」

松村「それは午後から暇な俺が教えろと?」

森本「お願いします…」


澄み切ったきれいな瞳で見つめられると、断れない。


松村「…分かったから待ってて」

京本「俺仕事あるから行く」

森本「俺はここで待ってる」


二人を置いて、目黒さんの病室に行く。

慌てて点滴を換えてリハビリテーション室に連れていき、仮眠室に戻る。


グゥゥゥ…


あいつ、寝てるな。

いつも帰るの早いのに、何してるんだよ。


バーン


ムカついて、思いっきりドアを開ける。

森本「うわっ、北斗か。びっくりした…」

松村「行く」

森本「どこに?」

松村「ここにカルテがあるとでも?」

森本「あ…」


無言で、廊下を歩く。

自然と、早歩きになる。

カルテを持って、PCの前に座る。


松村「何回も教えるのめんどくさいから、一回で覚えて」

森本「…はい」

松村「まずはここをクリックして、これを開く」

森本「ねえ北斗、何かエラー出るんだけど、このパソコン壊れてる?」

松村「壊れているのはパソコンじゃなくて、慎太郎の頭だ。ほらここ、抜けてる」

森本「ほんとだ、できた!終わりだ〜」


アホか。

松村「これを毎日、受け持ちの患者数だけやらないといけない」

森本「…」

松村「分かってるだろうな」

森本「…はい」

やっぱり分かってないのか。


松村「内科は人数多いから、大変だろうね」

森本「俺の分までやってた北斗、ほんとに尊敬する」

松村「先輩後輩逆転現象」

森本「まあ年齢は俺の方が下だけど」

松村「ここに来たのは慎太郎の方が早かったけどな」


ふと時計を見る。

松村「時間だから行く。あとやっといて。当直サボんなよ」

森本「それぐらい分かってる」

松村「当直忘れて帰ったことあるやつが言っても説得力ない」

森本「うっ…」


廊下に出たところで。

待って、昼ごはん食べれてない…。

ほんとに最悪。


約束の時間を大幅に過ぎているので、小走りで廊下を駆けていく。


その後、ある事件が起きたとは知らないで。


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作者名:まっちゃ | 作者ホームページ:No.  
作成日時:2022年1月5日 10時

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