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みんなが、病室に入ってくる。
向井「めめ久しぶり〜」
目黒「最近会っただろ」
向井「ちょっと会わんかっただけかもしれへんけど、寂しかったんよな〜」
松村「そろそろいいですか？」
向井「はい」
松村「椅子とかはないですけどすみません」
深澤「いいですよ、全然」
松村「あと、全く関係のない人間がいますが、静かにしていてもらうので」
京本先生の方を見つめながら言う。
京本「京本大我と言います。何も分かっていないですけど、北斗に頼んでいさせてもらっています。嫌だったら言ってください」
佐久間「いてくれていいよ。何か、俺の知ってる子に似てる気がするし」
京本「そうなんですか？ありがとうございます」
松村「では、始めたいと思います」
その一言で、病室の空気が変わったような気がした。
松村「まずは、これを見てください」
そう言って、二枚の写真を取り出す。
松村「左側の写真が目黒さんのMRIの結果で、右側が脊髄造影検査の結果です」
みんなが写真を見つめる。
松村「細かいことを説明すると話が複雑になりすぎるので端的に言うと、検査の結果目黒さんは脊髄損傷であると診断されました」
岩本「脊髄損傷、ですか？」
みんな、昨日の俺とあまり変わらない顔をしている。
松村「昨日目黒さんに説明したことと全く同じ内容になりますが、脊髄損傷とは、背骨にある、脊髄という体を動かしたりする重要な働きを持つ部分が、事故などの衝撃によって損傷して、麻痺などの症状が現れることです」
一枚の画像を見せる。
松村「このように脊髄損傷にはたくさんのレベルがありますが、目黒さんの場合はC5程度だと思われます」
渡辺「脚、胴体、手、手首の麻痺。肩と肘を動かす筋肉の筋力低下」
松村「目黒さんの場合、両足に麻痺、右腕に不完全麻痺の症状が現れているので、完全に動くのは左腕だけです」
宮舘「これって…治らないんですか？」
松村「それは、五分五分です。今の段階では分かりませんが、これからの経過とリハビリ次第では治る可能性もあります」
深澤「治らない可能性も、あるってことですか」
松村「残念ながら、そういうことになります」
病室の空気が、どんよりと重い。
沈黙が続く。
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