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グループとしての活動休止を発表したとはいえ、個人の仕事も一定量はある。
何だか晴れない気分のまま、朝ごはんを食べる。
でも、仕事にメンバーとのことを持ち込むのも、違うと思う。
そこの切り替えが、アイドルをやっていて難しいと感じるところだ。
阿部ちゃんもめめも、見えない何かと闘っている。
今活動したくてもできない分まで、俺らがやらないと。
よし、と気合を入れて、家を出る。
空は、澄み切った青色をしていた。
テレビの収録が終わった後。
今日の午後からは、フリーだ。
自然と、足が動く。
病院までは、歩いてもそんなに時間はかからなかった。
救急車に乗っていた時はあんなに長く感じた距離が、本当はすごく短かったんだと思い知らされた。
コンコンコンッ
深澤「阿部ちゃん、入るよ」
そう声をかけてから、部屋のドアを開ける。
佐久間「あっ、ふっかじゃん」
深澤「来てたんだ」
佐久間「さっきそこで康二とすれちがったし、康二はゆり組に会ったって言ってた」
深澤「結構みんな来てるね」
佐久間「照はこれから来ると思う。ラウールの学校が終わるタイミングで一緒に来るって」
深澤「それまで待っとく？俺は午後何にもないし」
佐久間「俺も一緒だわ。待っとく」
阿部ちゃんの様子は、あんまり前と変わっていないように見える。
でも、阿部ちゃんを、めめを、信じるって決めたから。
何があっても乗り越えられるはず。
コンコンコンッ
岩本「佐久間にふっかも来てたんだ」
ラウール「岩本くんの車に乗せてもらったよ」
深澤「そういうことね。俺は来たばっかだよ」
佐久間「めめのとこって、行った？」
岩本「俺らは、まだ」
深澤「俺も」
佐久間「一緒」
コンコンコンッ
深澤「めめ、入るよ」
そこには、またもや先客がいた。
佐久間「松村先生」
松村「こんにちは。今4人…ということは、これで全員今日は来てくれたんだね。お仕事もあるのにありがとうね」
岩本「いえいえ。先生こそお疲れ様です」
松村「メンバーのみなさんのことを考えると、自分も頑張れるんですよね。それでは、失礼しますね」
手元の紙に何かを書き込んでから、先生はめめの病室を出て行った。
ラウール「また来たいな。その頃には、何か変わってるかもしれないし」
みんな、頷く。
とりあえず今日のところは解散にして、家に帰る。
明日の予定は、特にない。
でも、いつもよりだいぶ早い時間に、布団に入った。
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