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.
…
"じゃあどうすればよかったんだよ、A。"
「…ごめんごめん、って、」
あの頃はお互い大切な人だったけど、
若気の至りだね、しょうがないねって。
光「んー…?」
暖色のライトが照らす中、
狭い廊下を歩きながら、その背中に向かって呟く。
「もう気にしてないよーって私も笑ったりして、
見た目は怖いけど、
…ちっちゃい頃から知ってる優しいお兄ちゃんがいて、」
そうお互い笑って言いながら、
雄也はそのことをすごく昔のことみたいに謝りながら、
私ももう彼氏とかがいて、
光「…うん、
あーほら、乾かさないと。風邪引いちゃったらこうちゃんに合わす顔ないよ。」
「うぁ、」
光「へへ、もう今の顔こうちゃんそっくりー。」
「…ん、」
でも、
「でもね、」
「…そんなことがあっても、
なんもおかしくないんだもんね。」
素足のフローリングに雫が落ちる。
無意識にスウェットの裾をかたく握りしめながら。
光「んー?
まぁ、そりゃね。こんな地元だしな。」
自分のことはいつも後回しで、
タオルを肩にかけたびしょびしょななまま、
薄明かりのキッチンに立ってた君。
「4年間って、
やっぱり長いよ、光くん。」
大きな手が、
私の言葉にほんの少し表情を複雑そうに歪ませて、またすぐに柔らかく微笑んだ。
光「うん、そうだね、」
光くんが作るといつも少し濃いめの、白い季節外れの夏の飲み物。
窓に打ち付ける雨音。
滅多にみることがないこの時間のテレビ。
「…今シャワー借りながらね、考えてた。」
ずっと。
光「そっかぁ。」
「うん、」
光「…なんていうかー」
光「幼かったんだよなー…どっちも。
どっちが悪いとかじゃなくてさ。」
止まった手が、頰に触れて止まる。
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にゃん(プロフ) - すごくお待たせしてしまったにも関わらず、真っ先にコメントをくださってありがとうございました。こつこつと頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年12月9日 22時) (レス) id: e86491d17c (このIDを非表示/違反報告)
あも ?(プロフ) - 更新待ってました!にゃんさんのペースでお話進めて頂けたらうれしいです、これからも楽しみに待ってます◎ (2020年11月21日 21時) (レス) id: 43b06d43a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - いのりさん» お返事も、更新も遅れて申し訳ありません。あさやけへのコメントもすごく嬉しかったです!これからいろんな展開が巻き起こる予定なのですが、変わらずに応援して下さるとありがたいです。これからもよろしくお願いし致します! (2018年1月13日 13時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
いのり - にゃんさん!更新してくれてありがとうございます!にゃんさんの作品はとてもわくわくしてリアルで自分が本当に夢主にはなった気がします!にゃんさんのペースでいいので頑張ってください(^^) (2017年12月20日 17時) (レス) id: 333c8aa74a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです!変わらずコメントを下さり、ありがとうございます。あさやけでは切ない場面が続いてしまい、私らしい作品がわからなくなってしまったのですが、もう振り切りつつ復活します!笑 丁寧に1つずつ書いていけたらいいな、今後ともよろしくお願いします! (2017年8月10日 21時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2017年5月4日 16時