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光「待ってよ、」
「やだ、」
光「…っほら、ばか。
車危ないってば。」
…も、
「…やだぁー…」
風邪ひくよ、
びっしょびしょじゃんかぁまったく。
上着を羽織らせる癖のある声。
心配そうに優しく腕を掴む仕草。
石段から激しく流れる雨音に消されそうな声で、
彼が捕まえた私にそう呟いたとき、
雄也「なにしてんの、そこで。」
…
雄也「…なぁなんで、」
泣きそうな彼の表情。
逸らしたいけどその反面、
背けちゃいけないとどこかで思う。
なんで、
そこに、その人といるの。
なんで俺じゃないの。
なんでわかってくれないの。
雄也「いいじゃん付き合ってんならさっさと言えよ。」
光「付き合ってねーわ。
今更そんなくだらないこと聞いてうじうじしてんなよ、」
雄也「は?うじうじしてないっしょ。」
雄也「じゃあどうすればよかったんだよ、A。」
…
雄也「帰ってこなきゃよかった?
ごめんごめんって言いながら近所の兄ちゃんやって、
お前の側にいりゃよかったの?」
「…っ、ちが」
雄也「ちがくねーよ、お前が言ってんのはそーゆーことだろ。」
雄也「ほら帰るよ、A。」
やだ。
光「やめてあげな。
…もう君ら見てるこっちがつらいって。」
雄也「ちょっと悪いけど黙ってて。
ほら、」
行きたくない、
「…どこに。」
雄也「は?」
「行くって、どこ」
私のその問いかけに、
雄也よりも光くんが、続きの言葉を感じ取ったように何かを言いかける。
行かないって、振り払った手。
雄也「…今はそーゆー話じゃねーだろ。
とりあえず来いって」
切れ長の涼しい目に浮かぶ焦った感情。
彼もきっと走ってきたの、わかってるのに。
「やだよ、…っも、
好きだよって言われて、…して、また私きっと泣くんだよ、雄也。」
雄也「A。」
「4年だよ?やっと、…っ」
雄也「んなの、わかってるって」
「ちがう、わかってないの。そうじゃなくて、」
…そうじゃなくて、
「…ごめん、やっぱりつらい」
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にゃん(プロフ) - すごくお待たせしてしまったにも関わらず、真っ先にコメントをくださってありがとうございました。こつこつと頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年12月9日 22時) (レス) id: e86491d17c (このIDを非表示/違反報告)
あも ?(プロフ) - 更新待ってました!にゃんさんのペースでお話進めて頂けたらうれしいです、これからも楽しみに待ってます◎ (2020年11月21日 21時) (レス) id: 43b06d43a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - いのりさん» お返事も、更新も遅れて申し訳ありません。あさやけへのコメントもすごく嬉しかったです!これからいろんな展開が巻き起こる予定なのですが、変わらずに応援して下さるとありがたいです。これからもよろしくお願いし致します! (2018年1月13日 13時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
いのり - にゃんさん!更新してくれてありがとうございます!にゃんさんの作品はとてもわくわくしてリアルで自分が本当に夢主にはなった気がします!にゃんさんのペースでいいので頑張ってください(^^) (2017年12月20日 17時) (レス) id: 333c8aa74a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです!変わらずコメントを下さり、ありがとうございます。あさやけでは切ない場面が続いてしまい、私らしい作品がわからなくなってしまったのですが、もう振り切りつつ復活します!笑 丁寧に1つずつ書いていけたらいいな、今後ともよろしくお願いします! (2017年8月10日 21時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2017年5月4日 16時