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おっ、うまそうじゃん。
キッチンに立つ私に後ろから声をかけて、
髪、またいいこいいこーってする。
困ったように振り返った私に、彼が嬉しそうに笑い返した。
「…ね、テレビ見てて?すぐできるから、」
しかもうまそうって、まだ卵茹でてるだけだよ。
雄也「んーいい。ここいる。」
道路に面したキッチン。
日が暮れて、とうとう雨が降り出した窓から入り込む冷たい風。
雄也「なつかしー。お前が料理してんの。
あ、俺なんかしたほうがいい?」
シンクに手をかけて、みょーんって。
子供みたいな彼が、落ち着きなさそうに足をばたつかせる。
「…んー。
じゃあねぎ切る?」
…そっか。
「うん…ね、そうだね。
なつかしいね。」
雄也「うん。すっげーうれしい。」
その笑顔に泣いたり、
苦しくなったり、思い出したりして、
もう君が帰ってきてからずーっとこうだよ、私。
「そーっとだよ、調子のらないで。」
雄也「わーかってるって。
なぁ調子のらないでってなんだよお前。」
薄目でべーっておどけた私のほっぺを触って、おかしそうに彼も笑った。
…
雄也「あっぶね…」
「ゆっくり切ってって。なんでそんな切り方するのー…」
雄也「見て、テレビみたいじゃね?」
彼が言うテレビみたいって、
きっとシェフみたいでかっこいいでしょってこと。
「手、切るから。そーっと。」
もー…こわいよ。
雄也「なぁなぁ、」
「はーい?」
雄也「俺さぁ。なんでラーメンって言ったんだろ。
お前の唐揚げ食べたい。」
視線を手元のまま、思い出したようにそう呟く彼。
「ばか。なんで今言う。」
雄也「ごめんって、」
「もー…」
雄也「…え、ごめん。
なんでがちで怒るんだよ。ちげーのラーメンも食べたかったの。」
「そゆことじゃないでしょー。」
雄也「なーにぶーたれてんだよー。
や、急にただなんとなくだから。また今度作ってくれりゃいいから、」
…そーゆーことじゃない。
そう呟いてからしゃがんで、
冷蔵庫に入ったジュースを手に。
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にゃん(プロフ) - すごくお待たせしてしまったにも関わらず、真っ先にコメントをくださってありがとうございました。こつこつと頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年12月9日 22時) (レス) id: e86491d17c (このIDを非表示/違反報告)
あも ?(プロフ) - 更新待ってました!にゃんさんのペースでお話進めて頂けたらうれしいです、これからも楽しみに待ってます◎ (2020年11月21日 21時) (レス) id: 43b06d43a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - いのりさん» お返事も、更新も遅れて申し訳ありません。あさやけへのコメントもすごく嬉しかったです!これからいろんな展開が巻き起こる予定なのですが、変わらずに応援して下さるとありがたいです。これからもよろしくお願いし致します! (2018年1月13日 13時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
いのり - にゃんさん!更新してくれてありがとうございます!にゃんさんの作品はとてもわくわくしてリアルで自分が本当に夢主にはなった気がします!にゃんさんのペースでいいので頑張ってください(^^) (2017年12月20日 17時) (レス) id: 333c8aa74a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです!変わらずコメントを下さり、ありがとうございます。あさやけでは切ない場面が続いてしまい、私らしい作品がわからなくなってしまったのですが、もう振り切りつつ復活します!笑 丁寧に1つずつ書いていけたらいいな、今後ともよろしくお願いします! (2017年8月10日 21時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2017年5月4日 16時