12 ページ12
.
雄也「ちょ、お前どした…」
「ちがう。…なんもない」
雄也「なんもなくねーだろ。
大丈夫だって、なんなら車出すから病院連れてくか？」
もうすでに車のキーをポッケから取り出しながら、
目にかかった前髪を戸惑った様子でかき上げる雄也の姿。
雄也「A、」
光「雄也、落ち着こうなお前も。」
私の泣き顔に顔色を変えた光くんよりも、
ずっとずっと焦ったような表情をしていて、
雄也「…ほら、
お前もどっか悪くなったの？」
必死で顔色を読み取ろうとするように、落ち着きなく背中をさする。
その仕草も、話し方も。
「平気。もー…こうちゃん起きちゃうから、」
雄也「A、聞いてんだけど。」
なんでわかってくれないの？って、
「…っだから、」
思うけど、ずっと思ってたけど、
「なんもないって言ってる」
それはあの日自分からいなくなった雄也に、
私が絶対に言っちゃいけない言葉だと思う。
雄也「じゃあなんで泣いてんの？
ほんとにコウ？」
…
雄也「…A、俺に言いたくない？」
「ちが、…」
雄也「なぁ別に責めてるんじゃなくて泣いてちゃわかんねーって、」
自分が焦っていっぱいいっぱいになっちゃうと、
怒ってるみたいな声になっちゃうの、知ってるよ。
光「ほら、ずっと気が張ったままだったからさぁ、疲れちゃったね。」
「…ん、」
立ったまま後ろから頭を撫でた声に逃げたくなる。
小さく頷いて、雄也と向き合えない私もこんなにもずるい。
雄也「そうなの？ったく心配すんじゃんもう。
Aアイスでも食う？」
「…食う。」
雄也「こらお前俺の言葉真似しないでって。」
…ふぇ、
航平「んぅー…」
「わ、ごめんね、大丈夫。」
起きちゃったでしょ。ばか。
涙目のまま、むーって雄也に。
雄也「わり。…コウ」
もぞもぞと私のお膝までだっこってきたこうちゃん。
バツの悪そうに目をそらした雄也も、そのほっぺに手を。
光「おはよ、こうちゃん。」
航平「…ひかるせんせ？」
「そう、あ。ゆーやもいるよー」
雄也「コウ。大丈夫か？」
航平「だいじょうぶくない…」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3809人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃん(プロフ) - すごくお待たせしてしまったにも関わらず、真っ先にコメントをくださってありがとうございました。こつこつと頑張りますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年12月9日 22時) (
レス) id: e86491d17c (このIDを非表示/違反報告)
あも ?(プロフ) - 更新待ってました！にゃんさんのペースでお話進めて頂けたらうれしいです、これからも楽しみに待ってます◎ (2020年11月21日 21時) (レス) id: 43b06d43a4 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - いのりさん» お返事も、更新も遅れて申し訳ありません。あさやけへのコメントもすごく嬉しかったです！これからいろんな展開が巻き起こる予定なのですが、変わらずに応援して下さるとありがたいです。これからもよろしくお願いし致します！ (2018年1月13日 13時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
いのり - にゃんさん！更新してくれてありがとうございます!にゃんさんの作品はとてもわくわくしてリアルで自分が本当に夢主にはなった気がします！にゃんさんのペースでいいので頑張ってください(^^) (2017年12月20日 17時) (レス) id: 333c8aa74a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです！変わらずコメントを下さり、ありがとうございます。あさやけでは切ない場面が続いてしまい、私らしい作品がわからなくなってしまったのですが、もう振り切りつつ復活します！笑 丁寧に１つずつ書いていけたらいいな、今後ともよろしくお願いします！ (2017年8月10日 21時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃん
| 作成日時：2017年5月4日 16時
