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ぴんぽーん。
「おすそわけでーす。」
203号室。
革靴を響かせて登った階段の先。
タッパーをたくさん抱えて、彼の部屋の前に立って、
雄也「おーさんきゅ。」
ゆるーいTシャツと短パン姿の彼が、なんの躊躇もなく玄関から手を伸ばしてドアを開ける。
「…ううん、」
後ろで結いた髪が夕焼けに映えて、
伏し目がちに私を鋭く見据える彼がすっごくかっこよくて。
…いけないとこに来ちゃった。
いつも来てるこの空間を、
いつも一瞬だけど本気でそう思うの。
雄也「まっじで助かった。コンビニ弁当ばっかでやんなんの、毎日。」
「もー…はい。お母さん張り切って詰めてくれたよ。」
雄也「はは、そっか。
そーいやこないだたまたま会ったけど相変わらずだったよ、お前のかーちゃん。」
「うん、なんか雄也に会えたって喜んでた。」
…おじゃましまーす。
雄也「喜ぶってなんだよ、」
私も不思議そうに笑いながら、見上げた彼にその入れ物を。
目を細めておかしそうに笑う横顔を通り過ぎて、
「ねー、明日ってなんで？」
白いラグにぺたんと腰を下ろした。
…
雄也「A、お前ジンジャエールでいい？」
薄暗くなってきた夕方の空。
開けっ放しの窓にカーテンがなびく雄也の部屋で。
「…ありがと。
ね、雄也。」
ガラスのテーブルに置かれた氷の入ったグラス。
薄茶色のジンジャエール。
雄也「あ？
あーそうそう…海連れてってやろっかなーと思って。もう風邪も引かせねーだろうし。」
「あれ、彼女は？」
いたよね、たしか。
すっごく綺麗なモデルさんみたいな人。
雄也「それ聞く？こないだ別れたーっ！」
だーっ！ってレンジに冷凍ご飯を入れながら、無駄に叫ぶ雄也。
「またー…？今度はなんでですか。」
雄也「んー…なんとなく？」
「へー。」
…そこなんとなくなんだ。
雄也「お前食べてきた？」
「ううん。これから。」
だって学校から帰ってすぐここに届けに来たんだもん。
雄也「じゃーうちで食ってけよ、あ、でも寂しがるか母ちゃん。」
「いや、そんなお母さんじゃないでしょ、
きっとそのつもりで詰めてたよ、たぶん。」
雄也「そ？まぁ一応連絡入れとけー」
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にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします！笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (
レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです！なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します！ (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です！！にゃんさんのペースで更新頑張ってください！！どんなに時間経っても更新楽しみにしてます！！！がんばってください！ (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します！ (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん
| 作成日時：2016年10月24日 23時
