22 ページ22
.
雄也「そういやA、かーちゃん元気?」
「うん。元気だよー、相変わらず。」
雄也「そっかー、
久々めっちゃ会いてーわ。てか飯食いてぇ。
…コウはいとこだっけ?」
子供のはしゃぎ回る声がだんだんと少なくなってきて、
辺りはお酒の入った大人の笑い声に。
「あー…そう、お母さんの妹の子供。
看護婦さんやってて忙しいからよく遊びに来てるの。」
さっきとは違って見える、今日何度目かこの道を。
帰り道に、最後にもう一度。
雄也「コウー…
ほらぎゅーって、…ぎゅー。」
…ん?
雄也「…なぁ見てA、こいつかわいー」
「あー。にぎにぎしてるー。」
私の胸元に置かれたこうちゃんの手に、
雄也が自分の人差し指をぎゅって。
それが彼にとっては、すっごく嬉しい仕草だったみたい。
「やっとねんねしたかなー…
…っと、」
雄也「んだよ、
…Aもっとこっちきとけ。」
大声でこっちを見ずにふらふらと歩いてきた酔っ払いの人。
ふいにぶつかりそうになっちゃって、
人混みの中で彼を抱きかかえる私を守るように、とっさに肩に手を置いて引き寄せた。
雄也「…ったく酔っ払いたらたら歩いてんじゃねーよ。
こいつ子供抱えてんのにさぁ…」
「ね、雄也へーきだよ?」
そこまで怒らなくても大丈夫だよー…
まだ鋭く後ろを睨む彼を、不安げに見上げる。
雄也「A、コウもいるんだから離れんなよ。」
「うん、」
雄也「…この祭りってだいったいこの時間からガラ悪くなんだよなぁ。」
髪をがしがしって搔き上げて、
小さく呟きながら、目線はまだ後ろのあの人たち。
こんなときに出てきちゃう不機嫌ゆうや。
だから私は、
「ゆーや。
こうちゃんこわい雄也いやがるよ?」
雄也「…ん。そうだな、
もー…こんなことされちゃ離せねーよ、コウー…」
彼がイライラしてるのを感じ取ったのか、
それでも離さないこうちゃんの手。
溶けちゃいそうな笑顔で私に微笑みかけた。
「…ゆう、」
雄也「どした?」
「…ううん、」
…別に何かを言いいたいわけじゃないんだけど。
でもただとっさに、雄也って言いたくなっただけ。
.
3616人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします!笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです!なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します! (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です!!にゃんさんのペースで更新頑張ってください!!どんなに時間経っても更新楽しみにしてます!!!がんばってください! (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します! (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃん | 作成日時:2016年10月24日 23時