あさやけだんし Y.Takaki

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…








雄也「お前座ったら泣くかな、こいつ。」







やきそばってだけ言ったのに。






戻ってきた彼の両手には、水色のかき氷とチョコバナナ。





あといっぱいのビニール袋。







「どうかな、でもとんとんしてれば多分へーき。」






…なんでそんなに買ってきちゃったの。






そう言いたいし顔に出したいけど、





でもそうしたらすごく悲しい顔をするのがわかってるから言わない。







「ありがとー。いっぱい買ってきてくれたんだね。」





雄也「こいつ起きて自分の分なかったらぐずるだろーと思って。」






…ほらね。






彼がする行動の裏には、




全部にあったかくてやさしい理由があるから。








「…ねぇ。雄也ばっかりずるいよ。」






雄也「今やるって。ほら、」







チョコバナナはこうちゃんのなんだって。




あとから慌てておじさんにもらってきた袋に崩れないように入れて、そーっと置いた彼。






「焼きそばがいいー。」





雄也「え、なに焼きそば？」






かき氷をあげようとして止まった手。





そのストローもぱくってして見上げた彼に。






「うん、ちょーだい。」







雄也「待て待ていそがしーわ。」





「ゆーや、こうちゃんの頭に乗っけないでねー？」







雄也「おう。…はいよ。」







あげるときに自然と自分の口も開いちゃうとこ。







こうちゃんの分までたくさん買ってきちゃうとこ。








胸元にもたれた小さな頭を支える私の右手。





雄也の手も重ねるように添えられて、彼から一口。









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