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遠くから聞こえるお囃子の音も、
子供のはしゃぎ回る声も、
ほんの一瞬で現実味のない映画の中のような感覚に変わっていく。
雄也「…わり、俺ちょっと抜けるわ。」
一緒にいた友達に振り向きながらそう告げて、ポッケに手を突っ込んで私に駆け寄るその姿。
いつか偶然すれちがえるだけで、
私だけが彼に気づくだけで、
それだけでも充分過ぎるくらいだったのに。
雄也「おー。」
「…ゆうや、」
今彼に会っちゃった私は、どうすればいいの？
雄也「A最近どー？」
「んー？元気だよ。
雄也、かえってきたの？」
まるでついこの間まで会ってたみたいな問い。
私もサンダルの足をゆらゆらさせながら、あっけらかんとそう答える。
雄也「そ。仕事もこっちでやろーとおもってさ。」
「…そっか。」
雄也「つーかさ、お前。」
「…？」
雄也「もういくつよ？大人っぽくなったじゃん。」
「はたちー。でも、もうすぐ21になるよ。」
雄也「うーわ。お前がもうそんなん？」
「…うん。」
…あれから、もう4年。
…
「こうちゃんさんさい。」
ん？
「あはは、そうそう。こないだ3歳になったんだよねー。」
こうちゃんには雄也がすごーくこわいんだろうなぁ。
「ね、さんさい。」
かき氷の入ったカップを握りしめながら、指で示す彼なりのさんさい。
口をぎゅって固く結んで、少し涙目なこうちゃん。
雄也「はは、ごめんお前には気付いてたんだけどさ、
Aちゃんと話したかったんだよ。」
少し？ううん、
かなり警戒してる様子のこうちゃんに目線を合わせて、
雄也「そっかー、こうちゃんさんさいか。
でもなー…」
雄也「ん。さんさいできあがり。」
彼のごつごつとした指が優しく小さな指を3の形に。
頭をぽんぽんって撫でる彼の横顔に、
ふいに目ををそらしたくなる。
雄也「あ？はたち…？
待てよ、えーっと…あれお前いくつっつった？」
「さんさい。」
雄也「…ってことは…
は？A、」
「ちがうちがう。安心して、いとこの航平くんです。」
雄也「んだよ、まじ焦ったわー…」
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にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします！笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (
レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです！なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します！ (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です！！にゃんさんのペースで更新頑張ってください！！どんなに時間経っても更新楽しみにしてます！！！がんばってください！ (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します！ (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん
| 作成日時：2016年10月24日 23時
