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雄也「A、」
さっき感じた違和感の正体。
…
雄也「おいAって。」
「迷子の子がいて、助けてくれただけだよ光くん。」
雄也「わかったよ、だから偉かったなっつったじゃん。」
「…うん。」
その手の大きさに、
そのぶっきらぼうなのに私にだけわかってしまうあたたかい仕草に、
今日どれだけ振り回されたんだろう。
「ねぇ手、離そう?
もう迷子になったりしないから、」
どうしよう。
…なんか勝手に、苦しくなる。
雄也「はいはい。
なぁ、A。」
繋がれた手を振りほどこうとして、すたすたと元いたところまで戻ろうとする私。
「んー?」
雄也「お前さ、」
”さっきから俺になんて言ってほしいの?”
さっき自分で開けたパーカーのジッパー。
光くんに貰ったサイダーは雄也が持っていて、
雄也「わかんねぇよもう。
水着褒めてやればそれで満足すんの?」
「ちが、」
雄也「すっげーかわいいよ。
似合ってるしどこに目やっていいかわかんねーよまじで。」
「なんでそうなるのー…?」
言ってほしい言葉がそのまま返ってくるような彼じゃないって、わかってるよ。
雄也「だってお前がそうやっていつまでたってもぷりっぷりしてんじゃん。」
でもちょっと背伸びした私の気持ちとか、
淡くて、見失ってしまいそうなほどのかすかな期待とか、
雄也「こっち向け。」
「やだ。」
…昨日した約束。
雄也「ほらその顔。ったくさぁ、
A、Aちゃん。」
涙でいっぱいになった目。
唇を噛み締めながら逸らしたとき、いきなり暗くなった視界。
私の前で目線を合わせるようにかがみこんだ彼がサングラスをかけながら、
溶けちゃいそうな笑顔で私に微笑みかけた。
雄也「ん、お前いまここにいる女でいっちばんかわいい!」
私たちの夏をここで止めてください。
一瞬、本気でそう思ったの。
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にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします!笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです!なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します! (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です!!にゃんさんのペースで更新頑張ってください!!どんなに時間経っても更新楽しみにしてます!!!がんばってください! (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します! (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2016年10月24日 23時