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memo6 ページ7

*




翌日、午前6時





苦い匂いが鼻先を掠める。


瞳を開くと隣にAは居なかった。




いつも俺よりも遅く起きるAなのに

居ない。




「A!?」



俺はベッドから飛び起きようとした。





「――――ッ!?」




そうか、俺は昨日捻挫したんだ。




現状を整理したとき、ドアが開く音がした。



「おはよ、鉄朗。」



そこには可愛らしい水色のエプロンを着て、

フライ返しを持っているAの姿があった。




いつも料理しないのに。


俺の為に頑張ってくれてるって思うと









(ヤベェ、にやける。)









「待って、鉄朗。なんか変な匂いしない?」






「する。」






Aは足早にキッチンに戻った。




「てつろぉぉぉぉぉ!!!

ヤバいヤバいヤバい。なんか…黒…。

とにかくヤバい!!!」





おいおい、ボキャブラリーたりねぇぞ。




「何作ってんのか知らねーけど火、消せ。」





「了解!!」







それから数分後―――――――――…








俺はリビングにいる。





そして目の前には

黒と黄色の黄金比(黒多め)の卵焼きらしき

物がある。



そして正面を見ると

涙目で唇を噛んでいるAがいる。




「……ごめん。









……それ、絶対不味い。

折角鉄朗に初めて食べてもらう料理なのに。」







「別にいいよ。ンなことくらい。」



椅子から立ち上がってAの後ろに立つ。





そして優しく後ろから抱き締める。






「鉄朗?」






「俺は大好きな彼女の愛情が

たっぷり詰まってればそれでいいの。

それに料理はまた俺が教えるからさ。」







「…あっそ。」






「ここに来てツンデレかよ。」





「ツンデレじゃねーし。」









後日談



食べた卵焼きは凄い香ばしい味だった。
by黒尾鉄朗




*




『Aの愛情があれば生きていける。』

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猫太郎丸 - 瑞珠さん» 瑞珠、いつもコメントありがと! (2020年1月3日 19時) (レス) id: 3db7769967 (このIDを非表示/違反報告)
瑞珠 - 猫太郎丸さん» 毎日、猫太郎丸の話読んでる。好き。 (2020年1月3日 18時) (レス) id: 264d2069b1 (このIDを非表示/違反報告)
猫太郎丸 - 瑞珠→ありがと!! (2020年1月2日 11時) (レス) id: 3db7769967 (このIDを非表示/違反報告)
瑞珠 - こーゆー話好きだから読むわ (2020年1月2日 11時) (レス) id: 264d2069b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫太郎丸 | 作成日時:2020年1月1日 0時

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