奥田愛美の時間 ページ42
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それから、数日後。
私たちは、自分たちの学舎である旧校舎に来ていた。
ここに皆で合流し、訓練のために設けられた政府の施設に移動するらしい。
荷物の入った大きなキャリーバッグを持ち、校舎に続く坂道を登ると、既に数名の人が来ていた。
「あ、白星さん!お久しぶりです!」
「奥田ちゃん、久しぶりだね!」
久しぶりに会った奥田愛美ちゃんは、嬉しそうに私に抱き着いてくる。
以前は、抱き締められたとき、奥田ちゃんに埋もれる形だったのが、今では立場が逆転している。
「白星さん、前に会った時も思ってましたが、随分背が伸びましたよね」
「殺せんせーのおかげでね。栄養不足だった事もあったから、それから少しずつ食べるようになったし」
「そうですか、良かったです。E組の時も、かなり少食だったので、皆心配してたんですよ」
「知らなかった……そうだったんだね」
母親という鎖から解放されても、私は一時期、彼女から強要されていた生活が抜けなかった時があった。
その一つが食事で、「体型が崩れるから」と言われ、ろくに食事なんてさせてくれなかった。
だから、食べようと思っても、いざ食べ物を目の前にすると、拒絶反応を起こしてしまっていた。
だけど、E組の皆が協力してくれて、何とか食事が出来るようになった時、私じゃなくて、殺せんせーが泣いていたんだっけ。
(懐かしいな……)
目を閉じると、不思議なことに、その出来事が昨日の事のように感じられる。
「どうかしましたか?」
「ううん。何でもないよ」
ニコッと笑うと、つられて奥田ちゃんもにこりと笑った。
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雪羅 - すごく面白いです!暗殺教室もあんスタも大好きなので、クロスオーバーの、しかも私が好きな感じのストーリーで嬉しいです。これからも頑張ってください!! (2018年6月7日 7時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 一気読みしました~!!とても面白いです!!!更新頑張って下さい~!!! (2018年2月11日 2時) (レス) id: fe434a094a (このIDを非表示/違反報告)
☆てってれ〜☆ - 全部いっきに読みましたっ!!!楽しいですねっ!!!頑張って下さいっ!!! (2017年11月24日 19時) (レス) id: eef2348f1c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - この小説凄く面白いです!更新頑張って下さい! (2017年11月23日 0時) (レス) id: 5a9b64b293 (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - 明日は羽風先輩の誕生日ですね!(三年なんでこんなにかたまってるの!) (2017年11月2日 23時) (レス) id: 3b75a384a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水神友花 | 作成日時:2017年10月21日 14時