オレンジの時間 3時間目 ページ29
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ここに来ている人達の視線を集めながら、月永くんは近くにあったイスに私を座らせて、その隣に自分も座る。
だいぶ落ち着いた私は、彼に話しかけた。
「さっきはありがとう、月永くん」
「いいって、気にすんな!たまたまAを見かけてどうしたのかーって思ってたら、あいつらに絡まれてたから大変だーって思って!」
「うん。ああいうの初めてで、怖くて何も出来なかったからすごく助かった」
「そっか。お前が無事でよかった」
微笑む彼に微笑み返し、私はスマホで時間を確認する。
予定時間よりもかなりオーバーしてしまった。
まぁ、べつにこのあと用があるわけじゃないから別に大丈夫なんだけどね。
「じゃあ、そろそろ帰るね。本当に今日はありがとう」
「わははっ!じゃーな、A!」
その瞬間、彼に背を向けるのをやめ私は彼を抱きしめた。
突然の事に驚いている月永くんをよそに、私は口を開く。
「【じゃーね】じゃなくて、【またね】がいい。月永くん、戻ってくるよね?」
つねに不安なんだ。今、私の腕の中にいる彼が戻ってこないままだったらって思うと、怖くて仕方がない。
【じゃーね】じゃなくて【またね】だったら、また会える約束がつくから。
座っていた彼は立ち上がると、私を優しく、けど強く包み込む。
「戻ってくる。だから、そんな泣きそうにならないでくれ」
「うん。またね、月永くん」
「あぁ、またな」
彼の温もりから離れた私は、手を振り一度も振り返ることなくその場を去った。
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雪羅 - すごく面白いです!暗殺教室もあんスタも大好きなので、クロスオーバーの、しかも私が好きな感じのストーリーで嬉しいです。これからも頑張ってください!! (2018年6月7日 7時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 一気読みしました~!!とても面白いです!!!更新頑張って下さい~!!! (2018年2月11日 2時) (レス) id: fe434a094a (このIDを非表示/違反報告)
☆てってれ〜☆ - 全部いっきに読みましたっ!!!楽しいですねっ!!!頑張って下さいっ!!! (2017年11月24日 19時) (レス) id: eef2348f1c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - この小説凄く面白いです!更新頑張って下さい! (2017年11月23日 0時) (レス) id: 5a9b64b293 (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - 明日は羽風先輩の誕生日ですね!(三年なんでこんなにかたまってるの!) (2017年11月2日 23時) (レス) id: 3b75a384a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水神友花 | 作成日時:2017年10月21日 14時