オレンジの時間 2時間目 ページ28
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「お前ら、そいつに何してんの」
声のトーンは低く、つり目の彼の射るような視線に2人はビクッと肩を揺らした。
「な、何だよ!お前こそ何なんだよ!」
私の肩に手を回している彼がそう言うけど、月永くんはお構い無しに私たちに近付いてくる。
男ながら小柄な方な月永くんは、自分よりも背の高い彼らに堂々と振る舞うその姿は、まるでライオンのよう。
「もう一度言うぞ。俺の彼女に、手ぇ出すな」
威圧のある言葉、表情、声……彼の全てに震え上がった彼らは私から手を離し「すみませんでしたー!」と呆気なく散っていった。
緊張から解き放たれた私の足は力をなくし、その場にしゃがみこむ。
それに気付いた月永くんは、私の元に急いで駆け寄ってきてくれた。
「A、大丈夫か?」
「だ、大丈夫」
「じゃないだろお前。震えてるし、女の子の大丈夫は、大丈夫じゃない時が多いんだろ?」
しゃがみこんで視線を合わせようと私を覗き込む彼は、床につけている私の手に自分の手を重ねた。
冷えきった私の手に、彼の温もりが覆いかぶさる。
「とりあえず、移動しよう。立て……るわけないよな」
自分の来ていた上着を私の腰に巻き付けたかと思うと、私の足と背中に腕を回し持ち上げる。
女の子なら誰もが憧れる、お姫様抱っこだった。
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雪羅 - すごく面白いです!暗殺教室もあんスタも大好きなので、クロスオーバーの、しかも私が好きな感じのストーリーで嬉しいです。これからも頑張ってください!! (2018年6月7日 7時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 一気読みしました~!!とても面白いです!!!更新頑張って下さい~!!! (2018年2月11日 2時) (レス) id: fe434a094a (このIDを非表示/違反報告)
☆てってれ〜☆ - 全部いっきに読みましたっ!!!楽しいですねっ!!!頑張って下さいっ!!! (2017年11月24日 19時) (レス) id: eef2348f1c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - この小説凄く面白いです!更新頑張って下さい! (2017年11月23日 0時) (レス) id: 5a9b64b293 (このIDを非表示/違反報告)
フユキ(プロフ) - 明日は羽風先輩の誕生日ですね!(三年なんでこんなにかたまってるの!) (2017年11月2日 23時) (レス) id: 3b75a384a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水神友花 | 作成日時:2017年10月21日 14時