【あんスタ】プロデューサーが元暗殺者の件について〜３〜【暗殺教室】

姉兄の時間 ６時間目 ページ13

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【お人形さんだった。】



その言葉の意味は、今の時点ではあまり理解は出来ないが、何となく分かる気がした。



３年生の仁兎なずなが、かつてそうだったからだ。



乙狩「お人形とは、具体的にどんな感じだ？」



陸翔「それは、俺達も詳しくは分からないんだ。その頃から、俺達は芸能界に入っていたから仕事があったしな。」



紗矢「ある日、仕事から帰ってきたら、Aはもうお人形さんになってた。着たくもないフリフリのついたドレスを着せられて、母が話しかけない限り喋らない。

だから、いつの間にかAから笑顔は消えてしまったの。」



当時の衝撃は今でも忘れられなくて、Aを見る度に思い出すのだ。



仕事の都合で、自宅から離れた親戚の家にいた幼い頃の２人が久しぶりに帰ってきたら、様子がおかしい母親と、震えながら俯き、着たくもない服を着せられた幼いAの姿。



夫が何の前触れもなく消息を絶ってしまった事で、精神的に限界がきたのだろう。



大切な人を失いたくないという思いが強くなってしまい、すぐそばにいたAをお人形さんにして傍に置く事にしたと２人は推測している。



お人形さんは、自分の意思で動くことは絶対にないのだから。

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