遊戯_007 ページ7
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吉「えー、短い間ではありますが
よろしくお願いします！」
華やかなターメリックライスに、シーフードカレー。
病院で食べていたカレーとは比べ物にならないくらい
美味しそうで、自然と笑みがこぼれた。
…が。
食卓についた私達は、
何故か吉本先生の音頭で乾杯をすることになった。
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貴「…兄さん、これは」
慎「うん。耐えて」
お父さん、お母さん、
そして茂之とコップを合わせてから
先生は私達のところにもやって来た。
吉「慎一君！
はい、かんぱーいっ！」
慎「…」
うわっ。
兄さんのめちゃくちゃ嫌そうな顔。
16年間一緒に過ごしてきた中でも
これほど不機嫌な顔はあまり見たことがなかった。
吉「Aちゃんも！」
貴「…は、はい…かんぱーい…」
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お通夜みたいな顔つきの兄さんと私に、
よろしくっ、と声をかけるその人。
ぺこり、軽く頭を下げた兄さんを見ると
眉間にシワをよせながらも
そそくさと席についた。
慎「A…めっちゃ嫌そうな顔してるけど」
貴「兄さんの方が怖いよ。私の2000倍くらい」
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先生のやたら元気な「いただきます」に続いて
手を合わせる5人。
お父さんとお母さんも目を合わせないし
茂之と私達もなんだか考えていることが違うみたい。
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そんな異様な雰囲気をよそに、
先生はさも美味しそうにカレーを食べる。
吉「これなんて言うんですか？」
母「レッドカレー、って言う…」
シーフードじゃなかった。
でも美味しい。確かにすごく美味しい。
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…というか。
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貴「この人…こんなにウチに馴染んでるの？」
慎「そうみたい。俺としては不本意だけど」
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食べ進む具合が中盤に差しかかっても、
彼と両親、そして茂之の談笑は止まらない。
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貴「兄さん…あの…」
慎「1ヶ月だから。耐えて」
自分に言い聞かせる様に呟いた兄さんは、
何時までも
サラダに視線を落としたままだった。
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貴「…いや、麦茶のおかわり要るかなぁ、って…」
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神楽(プロフ) - 久しぶりに更新されていて、すごく嬉しかったです。これから頑張ってください。 (2018年2月26日 16時) (
レス) id: 18494a4f50 (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - 神楽さん» コメントありがとうございます。ご期待に少しでも添えられる様、これからも頑張らせて頂きますっ！ (2017年7月30日 0時) (レス) id: 7adddb01cf (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - 前回の作品もすごく面白くて好きな作品だったので、今回の作品もたのしみです！更新頑張ってください。 (2017年7月29日 21時) (レス) id: 18494a4f50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪 | 作成日時：2017年7月29日 3時
