111 JN ページ11
RM「ユナさんから連絡が？」
代表室に入ってきたナムジュンが開口早々に尋ねる。
JN「あぁ。後で来るって。」
ナムジュンは何か言いたそうだが、あえて僕もそれには触れない。
僕がやらなきゃいけないからね。
JN「仕事のキャンセルをお願いしていい？時間がかかりそうだから。」
RM「はい、代表。」
ナムジュンが部屋から出ようとした瞬間、ドアがノックされた。
YN「オッパ？」
ドアから顔を覗かせたのは何週間ぶりのユナ。
JN「あぁ、ユナ。待ってたよ。」
僕が席から立ち上がると、ナムジュンは軽く会釈をして出て行った。
JN「連絡を何度もしたのに、何で出てくれなかったの？」
ソファへ座るユナは尋ねる。
YN「携帯が壊れちゃって、出れなかったの。ごめんね。
てかオッパ、そんなに心配してくれたの？」
ニコニコ座って僕を見つめるその顔は、何かを企んでいそうで怖かった。
JN「もちろん、出てくれないし避けられてるかと…」
YN「ンフフ、オッパがそんな事言ってくれるの初めてだからなんか嬉しいなぁ〜」
席を立って隣に座ろうとしたので、僕はすかさず"話したいことがある"と言った。
YN「話したい事？」
JN「あぁ。ユナにとっても僕にとっても大切な話。」
そう言うと、ユナの口角が上がった。
・
JN「単刀直入に言うよ。
ユナ、僕たちは終わりにしよう。」
YN「…なんで？」
声が急に低くなったユナが尋ねる。
JN「ユナの事は好きではないと気づいたからだよ。」
正直に答えると、ユナがため息をついてソファの背もたれに寄りかかった。
YN「オッパ、私ね正直言って愛なんか関係ないの。」
JN「は？」
YN「結婚する相手がたとえ私を好きでなくても、お金があるなら私は全然構わないと思ってたの。
でも、オッパを見たら気が変わった。この人が欲しいって思ったの。お金も、オッパも。」
ユナの口から語られる本音。
JN「ユナはソナ企業の娘なんだよね？」
YN「あれ？やっと気づいたの？」
ユナの事をナムジュンに調べさせてわかったが、ソナ企業の娘である事をつい先日知った。
YN「ねぇ、オッパ。どうして私とのお見合いを断ったの？」
いつもにまして真っ赤な唇が、僕に問いかける。
YN「あの時、断ってなければこんな事までしなくて済んだのに。」
JN「…。」
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作者名：みおお | 作成日時：2021年3月14日 10時
