イチゴとブルーハワイ ページ8
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( 緑 )
仕事終わり。俺はしげの腕を引いて、駄菓子屋へと向かった。小さい頃からよく行っていたお店だから、一度しげにも紹介しておきたかったのだ。
「あ。かき氷あるで！」
「おお、ほんまや。食べてく？」
しげの言葉に頷いて、店の奥へ行く。いつものおじさんが、俺の隣を見て目を見開いた。
「智洋の友達？」
「そうやねん。しげって言うんよ」
「しげでーす。あ、おっちゃん、かき氷二つください」
まだお兄さんやろなんて快活に笑いながら、おじさんが氷を削っていく。俺はイチゴ、しげはブルーハワイ味にした。
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「ん〜〜やっぱ美味いわぁ！」
じりじりと日が照る中で食べるかき氷は格別だ。先程まで暑さにやられていたしげも、いつもの太陽のような笑顔に戻る。
「あ。神ちゃん見て見て〜」
しげがべーっと舌を出す。真っ青に染まった下に、思わず吹き出してしまった。
「神ちゃんのも見してやぁ」
「え〜でも俺イチゴやからあんま変わらんで？」
俺が舌を見せると、たしかになぁと言いつつも密かに笑いを堪えるしげ。
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そういえば、とふと疑問に思うことがあった。
「しげ、一つ気になったんやけどさ」
「なに？」
「イチゴとブルーハワイって、混ざったら紫になんのかな」
絵の具だとそうだけど、かき氷のシロップは見たことがなかったから。
そのつもりは微塵もなかったけれど、しげは真剣な顔して俺をじっと見つめる。
「…試してみる？」
俺がゆっくりと頷くと、しげが両肩を掴んだ。熱を孕んだ赤と青が、痛む頭に似合わず、お互いの色を分けるように絡み合った。
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みさき(プロフ) - 初めまして。おすすめに出てきたので一気に読ませてもらいました！赤緑推しにはたまらない短編集ですね！とくに高嶺の緑くん。出会いから追っていきたい2人だなとすごく思いました！推しカップルです笑素敵な作品ありがとうございます！ (2023年2月10日 15時) (
レス) @page35 id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アサレ | 作成日時：2021年9月25日 18時
