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ベッドの上に優しく下ろされると、大毅が俺の肩に手をかける。俺のジャケットを肘あたりまで脱がせると、俺の頬にキスを落とした。ちゅ、と音が鳴って俺の耳元まで届く。今更羞恥心で死にたくなった。

大毅の口が近づいてきたかと思うと、今度は耳がターゲットにされた。指で撫でられ、舌で遊ばれ、キスを落とされる。



「う、あぅ……」

「きもちい?」



大毅のその質問に、半分上の空で頷く。「智洋ってやっぱ耳弱いんや」と耳元で囁かれ、またキスされた。なんか俺の部位一つ一つ食い尽くしていくような、そんな肉食獣を見ている気分。



「もう嫌って言われてもやめんで」

「う、うん」



俺が頷いたのを合図に、大毅は俺のシャツに手をかけた。順調にボタンを外していく手を思わず掴む。嫌って言われてもやめないって忠告されたのに、俺だって覚悟を決めたはずなのに。



「なんや、裸見られるのが恥ずかしいんか」

「いやだって、見せたことないし」

「だから今初めて見るんやろ」



裸に抵抗があるというよりは、大毅を失望させないか心配だった。下までボタンを外した大毅が一気にシャツを脱がせてくる。俺の上半身が露になって、思わず目をつぶった。



「肌白、」



譫のように呟いた大毅が、俺の首をなぞり、どんどん下へ伝っていく。どこまで行くん、どこ触ってるん…!?そう焦っていると、彼の指が俺の下腹部で止まった。



「俺の、全部入ったら、こんくらいやな」



え、それって。大毅の方をゆっくり見る。そういうことや、と大毅が呟いた。



──ああ、俺、この男に抱かれるんや。なんて今更ながらに思った。


大毅の手が肩を掴み、もう片方の手で胸を触りだした。俺は、こうなることを分かってて、望んで、居酒屋に足を運んだのかもしれない。どれだけ気持ちを認めたくなくとも、体は正直なのだから。



「優しく、して」

「…善処はするわ」



大毅の暴虐的な目線、俺の知らない大毅の一面がどんどんと剥がれていく。もっと俺に見せて。大毅の醜い姿、哀れな顔、黒い腹の底、全て、俺に。俺だけに。




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ちゅ(プロフ) - アサレさん» 今はあんな人と結婚しなくてよかったと思えてますから大丈夫です!逆に気を使わせてしまってすみません。お話に共感してしまいます。これからも陰ながら応援しております! (2021年8月2日 0時) (レス) id: b37e093299 (このIDを非表示/違反報告)
アサレ(プロフ) - りっつさん» コメントありがとうございます。傑作だなんて、最高の褒め言葉です。。(;;)これから予測できない展開にしていけたらなと思っておりますので、ご期待ください…! (2021年7月24日 23時) (レス) id: 1f1c37d9bd (このIDを非表示/違反報告)
アサレ(プロフ) - ちゅさん» そうだったんですね。嫌な記憶を思い起こさせてしまったのならごめんなさい、でも少し運命を感じてしまいますね。。お気遣いありがとうございます、自分のペースで執筆していきたいと思っております…! (2021年7月24日 23時) (レス) id: 1f1c37d9bd (このIDを非表示/違反報告)
りっつ(プロフ) - ヤバいですドキドキ止まらん、どうなるの?二人とも。続き楽しみすぎます傑作! (2021年7月24日 14時) (レス) id: d038e49da9 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅ(プロフ) - 自分が誕生日に好きな人から結婚式の招待状を渡された経験があったのでちょっと涙が出てしまいました。突然すみません、これからも楽しみにしています!無理のない範囲で頑張ってください! (2021年7月24日 0時) (レス) id: 647b3f08c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アサレ | 作成日時:2021年7月23日 20時

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