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「こ、この埋め合わせは絶対するから......!
でも......、ありが、とう....。」
ごちそう、さまです......と少し俯き、薄っすら頰を染めた結弦が言った。
内心ドキリとするが無理矢理視線を外し、努めて平静におー、と返した。
昨日。
結弦に一方的に予定を伝え、送った後。
家に帰り着くとスマホが振動し着信を告げた。
画面の上鳴電気の文字に良い予感はしなかった。
「.....ンだ。」
『アッ、バクゴー出た!
なー明日さー、切島たちと遊び行こうつって予定立ててんだけどさ、
バクゴーも行くだろ?どこ行きて?カラオケ?』
「ンで行く前提なんだよ行かねぇわ。先約ある。」
『えっ断られるとか想定してなかったんだけど。嘘だろ、俺ら以外にオメーを誘えるようなヤツ居ねぇじゃん。』
「人を何だと思っとんだクソ。俺が誘っとんだテメーの想定外だ。」
『バクゴーが人誘うとか.....!何女の子...!?ハッ、まさか結弦先輩とか言う!?』
チッ、こういう時ばっかやけにカンが良いのがムカつく。
「関係ねーだ
『なぁ結弦先輩こないだのサワヤカイケメンの告白どうしたって!?』
遮られた挙句に更に首を突っ込まれ、怒りでケータイを持つ手が振動する。
「変に悩んどったからストレートに言われりゃ誰でも良いんかっつったら断っとったわマジ関係ねーだろテメェ...!」
『.....は?何バクゴー、結弦先輩にやめろっつって話したわけ...?んで明日約束してんの?待って待ってどういう間柄?』
「...別にただの知り合いだろ。
なんかスランプらしくてよ、やたら落ち込んどったから弓道しねぇ方が良いと思ったンだよ。
アイツ放っといたら絶対ぇ弓道して勝手に苦しむだろ。」
『......なん?それこそサワヤカイケメンにでも任せとけば良くね?おんなじ弓道部だろ。なんでオメーが出て行くワケ?』
「ア"ァ!?ンな奴に任せるわけねーだろ!
アイツが泣くとやたらこっちが堪えんだよ!
アイツは!俺が笑わせんだ、よ.......................
って、オイ、」
俺は、何を言っとんだ。
『..............うわ、俺、人が恋に落ちる瞬間に初めて立ち会ったわ。』
グシャ、とひとつ頭を掻きむしった。
「..............るっせ。
今落ちたんじゃねーわ。
..........自覚しただけだ。」
ンだよ、これじゃ上鳴の思う壺だろ。
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泉(プロフ) - 白猫さん» なんかすごい策士のようになっていますが笑。私は展開を書いているとキャラが勝手に動く感覚で書いてるので、私も一緒に感情移入しています笑。ありがとうございます!かっちゃんはとても怒られる事ですけどね笑。最後の最後まで、どうぞ見守ってやって下さい* (2019年3月31日 16時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - 話の流れと言うのでしょうか、、感情の波(?)が綺麗で読みながら緊張したり、安心したり、感情移入させにくるのが泉さんだなぁと、再確認しました笑。ツルちゃん…!!頑張った…!かっちゃんに盛大な拍手を送りたい(o^^o)最後の最後まで、楽しんで読ませて頂きます。 (2019年3月29日 18時) (レス) id: 44840d8a16 (このIDを非表示/違反報告)
モコ‐シファール(プロフ) - 泉さん» 確かに笑。物語続き読みました!!頭爆発とかともちゃんとのデートとか嬉しそうな笑顔とか合宿での電話とか色々素晴らしすぎて…尊い…大好き!かっちゃん攫われて泣きじゃくるツルちゃんみて私も胸がぎゅって苦しくなって泣きました…泉さんの表現の仕方大好きです! (2019年3月3日 16時) (レス) id: 562a9bf06b (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - モコ‐シファールさん» それはもはや合作と化してしまいそうなのでご勘弁を笑。どうしても話が膨らむと書けちゃうんですよねー笑。もうそろそろ物語を動かそうと思っています。そっちに注力しちゃいそうですね。自分でもどうなるか分からないのでドキドキです。。 (2019年2月20日 12時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
モコ‐シファール(プロフ) - 泉さん» うひゃー!泉さん最高!大好きー!!じゃあこんなの見たいってあったら泉さんに言いますね!← めっちゃ楽しみにしてます(*´∀`*) (2019年2月19日 23時) (レス) id: 562a9bf06b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泉 | 作成日時:2019年1月11日 12時