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「うーん....、まぁ正直迷ってるよね。」
「....ンで迷うんだよ、好きかそうじゃねーかだろ。」
「....はぁ、君みたいな強い人とは違ってね、平凡な私には色々複雑な心境があるわけ...。」
「人を単細胞扱いすんなや。まごまご考えとるだけだろ。」
「だってさー...、今まで告白してきた人って大体私の事なんて見てなかったし...、あ、こないだ聞いてたんだっけ?
....後藤くんは良い子なんだけどさ、正直後輩としてしか見た事は無かったんだよね...。
それがあんな真っ直ぐに言われるとさー...、もうこんな機会ないかな?って、思っちゃうじゃない...?」
「......ハァ?」
ザ、と靴が音を立てる。立ち止まった俺につられて結弦の足が止まる。翡翠色がこちらを振り返る。
その翡翠色を真っ直ぐ捉えて言った。
「お前の事ちゃんと見とる人間なんて他にも居んだろうが。
真っ直ぐぶつけられりゃぁ誰でも良ンかよ。そんなモン俺でも出来るわ。
ちゃんと自分の気持ち考えろや。」
翡翠色が、わずかに揺れた。
「.....だからって、なんで君がそんなに、真っ直ぐ....ぶつけて来るかな....。」
少しの戸惑いの色を、搔き消すように次の言葉を続けた。
「....でも、君の言う通りだよね。ちゃんと、自分の気持ちで決めなきゃ、相手にも失礼だわ。
.......やっぱり後輩以上には見れないし、きちんと話して断るよ。」
「....おー、そうしろ。」
「ありがと、ね。まさか爆豪くんと恋バナする事になるとは思ってもみなかったけど。」
クスクスと笑う結弦を見て再び歩を進めた。結弦もそれに続く。妙な安堵感が襲うのを無視しようと努めた。
「......でもほんと、今日この話しに来たの?」
「〜〜〜〜〜うっせぇな...!黙って歩けや....!」
自分でもらしくねーのは重々承知だっつうの...。
そう内心悪態をつきながら、最初のビクついた表情とはかけ離れた、ケラケラと笑う結弦を見て、
まぁどうでもいいわ、なんてまたらしくねー事を思った。
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泉(プロフ) - 白猫さん» なんかすごい策士のようになっていますが笑。私は展開を書いているとキャラが勝手に動く感覚で書いてるので、私も一緒に感情移入しています笑。ありがとうございます!かっちゃんはとても怒られる事ですけどね笑。最後の最後まで、どうぞ見守ってやって下さい* (2019年3月31日 16時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
白猫(プロフ) - 話の流れと言うのでしょうか、、感情の波(?)が綺麗で読みながら緊張したり、安心したり、感情移入させにくるのが泉さんだなぁと、再確認しました笑。ツルちゃん…!!頑張った…!かっちゃんに盛大な拍手を送りたい(o^^o)最後の最後まで、楽しんで読ませて頂きます。 (2019年3月29日 18時) (レス) id: 44840d8a16 (このIDを非表示/違反報告)
モコ‐シファール(プロフ) - 泉さん» 確かに笑。物語続き読みました!!頭爆発とかともちゃんとのデートとか嬉しそうな笑顔とか合宿での電話とか色々素晴らしすぎて…尊い…大好き!かっちゃん攫われて泣きじゃくるツルちゃんみて私も胸がぎゅって苦しくなって泣きました…泉さんの表現の仕方大好きです! (2019年3月3日 16時) (レス) id: 562a9bf06b (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - モコ‐シファールさん» それはもはや合作と化してしまいそうなのでご勘弁を笑。どうしても話が膨らむと書けちゃうんですよねー笑。もうそろそろ物語を動かそうと思っています。そっちに注力しちゃいそうですね。自分でもどうなるか分からないのでドキドキです。。 (2019年2月20日 12時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
モコ‐シファール(プロフ) - 泉さん» うひゃー!泉さん最高!大好きー!!じゃあこんなの見たいってあったら泉さんに言いますね!← めっちゃ楽しみにしてます(*´∀`*) (2019年2月19日 23時) (レス) id: 562a9bf06b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泉 | 作成日時:2019年1月11日 12時