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その日は業者の方々がひっきりなしに出入りしていた。
勝己くんのどれも上等そうな家財道具が運ばれてくる。
制服を身に纏った男性が運ぶ中に、勝己くんのベッドもあった。
それでもあのマンションで見たもの全てではなかったので、いくらか処分したのだろうと思う。なんだか申し訳ない気持ちになる。
受け取りだけ頼むわ、と勝己くんに言われていたため、設置場所など案内をしていたのだが、基本的には邪魔にならないようひっそりとしているしかなかった。
いつものこの空間に、物が増えていく様が不思議だった。
それは、私ではない他者がここに居ることをくっきりと主張していた。
夜。
「おう、ちゃんと入ったな。受け取りありがとな。」
がちゃり、と音がして扉が開いた。ツンツン頭が顔を出す。
「.................帰ったわ、ただいま。」
「お........、かえり、なさい.....。」
いつもは邪魔する、と言っていた勝己くんが言う、ただいまの言葉に、なんとなく、2人とも押し黙ってしまった。
胸がじいんとする。
勝己くんが工房の扉をパタリと閉め、こちらへ歩み寄ってきた。
伸びてきた手に吸い寄せられるようにぽすり、と勝己くんの腕の中に収まる。
「...お前が居るとこに帰んの...、やっぱ良いな。」
「ええ......、勝己くんが帰ってくるの、良いですね...、本当に...。」
2人して感慨に耽りっぱなしで、なんだか可笑しくなってきて2人顔を見合わせて小さく笑った。
「勝己くん、おやすみなさい。」
「おー、おやすみ。」
私のベッドを撤去し、勝己くんのベッドが代わりに寝床になった。
いつものように抱きしめてもらうのに、ニトロの香りを肺一杯に吸い込み深く息をついた。
そうして意識を手放したはずだった。
それなのに薄く意識が浮上する感覚。暗い部屋に夢と現実の境が曖昧になる。
その時なぜ目が覚めたのかが明確になった。
体にするりと分厚い手のひらの感覚が滑る。それも脇腹にじかに皮膚が触れる感覚。
する、
「......ッ、勝己くん...、どこ、触って...」
「...ん、A、」
暗がりに淡く見える赤い目はどことなくぼんやりとしているようで。
そのままその手は膨らみに手をかけた。
「.......ッあ、」
「A....」
掠れた声がどこか色っぽく、囁かれる名前にぞくりとした。
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泉(プロフ) - Runaさん» あぁ、出会って下さってありがとうございます....！そんなに読み返して頂けるなんて本当に幸せです。神かはわかりませんが、だいぶ初期の作品にも関わらず自分でも褪せない、大好きな作品です。 (7月4日 22時) (
レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
Runa - なんか、なんか…！めっちゃお洒落っていうか！儚いって言うか…！！とりあえず好きです！！！三回ぐらい読み返しました！！こういう作品を神って言うんだなぁ…と思いました(*^_^*) (7月4日 20時) (レス) @page50 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - ぽむさん» こちらこそありがとうございます、今出会って頂けただけでも嬉しいです^^ (2021年12月22日 18時) (レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - なんだこの素敵な作品はこんな作品に出会えたことを感謝です。てか！もっと早く出会いたかったです。ありがとうございました。 (2021年12月22日 13時) (レス) @page50 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - モコ‐シファールさん» あーもうアー...もこさん好き...アー涙出る。。全部嬉しいです...もこさんとまたお話がしたいがために次作書いてしまいそうです笑。悲恋が苦手で、夢主たちを幸せにする事で自分も救われている部分があります。またもこさんとお話できたらいいなぁ。。 (2018年11月26日 16時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉
| 作成日時：2018年10月19日 19時
