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「......こわいです。」
「あ？」
布団の中でぎゅ、と勝己くんの服を握って俯いた。
小刻みに震える情けない、手。
「...とても、こわいです...。
今まで感じたことのないような、大きくてふかふかの安心感の中で寝ました...とても心地よかった...。
でも、同時に今晩1人で寝ることを思うととても怖くもなります...勝己くんが居ないと寝られなくなりそうで.............こわい。」
抱きしめられたまま寝ていた体を離して、勝己くんの赤い目がこちらを捉えて言った。
「...今晩も、一緒に寝てやる。ここ引き払うまでの間、俺んちかAんち、どっちかで毎日泊まる。約束したろうが、俺は居なくならねぇ。
...お前のここに、俺を住まわせろ。」
そう言って、ト、と大きな指が私の胸に触れる。
「そうすりゃ離れなきゃなんねぇ時も、俺がお前ん中に居る。お前は1人じゃねぇ。そうしてる内にすぐ帰ってくる。俺は必ず、お前の待ってるとこに帰る。
忘れんな、お前には、俺が居る。」
「...........私には...勝己くんが...居る....？」
「そうだ。よく覚えとけ。
......しかしよ、抱いた時も思ったけどお前線細ぇ割に胸でけーよな。」
触れた指が胸元をふにふにと押す。
「.........んなっ....まっ....せ、セクハラぁぁ......！！！！！！！！」
顔を真っ赤にした私の大絶叫が朝から響いた。
「悪かったわ、機嫌直せ。」
チーズの焼き目が香ばしい、クロックムッシュが乗せられた皿が差し出される。
いただきます...と小さく言うと無言でそれを頬張った。腹立たしいがとても美味しい。
「........あ。」
同じくそのトーストを囓る勝己くんが、ぴた、と静止するのに疑問の視線を投げかけた。
「....忘れとった。マンション引き払うんなら実家に一言入れとかねーとうるせーんだった。
所在ぐらい明らかにしとけっつって騒ぐんだよ...。」
「それは...、ご子息の居住地が不明というのも心配ですから至極当然ですね...。」
「...しかも今回Aんちに転がり込むだろ。お前のこと、話さねーわけにいかねぇし、ちゃんと説明しとかねーとまたギャーギャー騒ぐわ...。」
「それは...そうですね...。」
「この際だから行くか、A。」
「わっ、私もですか......！？」
「その方が早ぇだろ。」
それは、本当にそうだ...。緊張で今から胃が硬くなるような心持ちだったが、状況を鑑みて腹をくくる事にしたのだった。
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泉(プロフ) - Runaさん» あぁ、出会って下さってありがとうございます....！そんなに読み返して頂けるなんて本当に幸せです。神かはわかりませんが、だいぶ初期の作品にも関わらず自分でも褪せない、大好きな作品です。 (7月4日 22時) (
レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
Runa - なんか、なんか…！めっちゃお洒落っていうか！儚いって言うか…！！とりあえず好きです！！！三回ぐらい読み返しました！！こういう作品を神って言うんだなぁ…と思いました(*^_^*) (7月4日 20時) (レス) @page50 id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - ぽむさん» こちらこそありがとうございます、今出会って頂けただけでも嬉しいです^^ (2021年12月22日 18時) (レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - なんだこの素敵な作品はこんな作品に出会えたことを感謝です。てか！もっと早く出会いたかったです。ありがとうございました。 (2021年12月22日 13時) (レス) @page50 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - モコ‐シファールさん» あーもうアー...もこさん好き...アー涙出る。。全部嬉しいです...もこさんとまたお話がしたいがために次作書いてしまいそうです笑。悲恋が苦手で、夢主たちを幸せにする事で自分も救われている部分があります。またもこさんとお話できたらいいなぁ。。 (2018年11月26日 16時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉
| 作成日時：2018年10月19日 19時
