『価値』 ページ41
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「誰が救けてくれって言ったんだよ.....！死んだ方がましだ...！」
そう言った瞬間。スゥ、と空間が静かになるのを男は感じた。
「..........それなら、
私がもらう。....その命、捨てるのなら、私がもらったって同じでしょう？
私のためにその命、使ってもらうわ」
そう言って薄く笑んだヒーローの顔は、暗がりでその瞳だけが煌々と青く光っていた。
支配、者.........
ドサ、と膝を折った男の口からは、ただその一言だけが漏れ出ていた。
空間ヒーローサクヤに拾われてもうすぐ3年が経つ。
先程までのプレッシャーが嘘のように消え失せ、ただ柔らかく笑むヒーローに事務所まで引っ張られて行った。
「あなた命要らないんでしょ？
じゃぁここで働きなさい。私のために、あなたの人生の一部、使いなさい。」
にっこりと笑むヒーローを前に、なぜか強く惹かれて雇用契約書に判を押した。
それが利用価値であれなんであれ、お前には価値があると、そう言われた気がしたから。
「雇用契約は3年！3年後私のもとを去ること！その後は好きにしたらいい。再び命を投げ出そうが、私は口を出さない...。
ただ、それまでの3年間は私のために生きなさい。これが条件よ。」
そう言われてからの日々は、なぜか鮮やかだった。サクヤさんは俺に仕事を教え、能力を伸ばし、そして外の世界と触れさせた。自分にできるはずがないと思ったのに、サクヤさんを通して見る世界は鮮やかだった。
「水谷くん、こないだ言ってた雑誌社の担当さんがさ、君の文章力はすごいって、君のこと引き抜きたいそうだよ...！
君の好きなことが認められて、すっごく嬉しい...！」
「ほ、ほんとですかサクヤさん...！？そう言ってもらえてるのなら...嬉しいです...！」
「じゃぁ決まりね！担当さんに連絡しておくね！」
「あのっ、サクヤさん...！全部、あなたのおかげです。あなたのおかげで俺は...」
「？全部あなたがやったことだよ。全部あなたが勝ち取った。それを誇りなさい。」
そう言ってサクヤさんはニィッと笑った。いつもよりやんちゃな表情で。
「私の力では、到底全ては届かない...だからせめて私の手が届くところまでは。幸せになってほしい。」
優しく笑んだ彼女にサイドキックから声がかかる。
サクヤさん！ダイナマイト事務所から協力要請です！と連絡が入るのに、了解！と答える彼女の表情は、凛とした美しいものだった。
男は眩しそうに目を細めた。
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泉(プロフ) - ミホさん» ありがとうございます^^物語に心を乗せて頂けたなら幸せです。 (2023年3月30日 18時) (
レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - めっっっっっっっちゃキュンキュンした！！言葉に表しきらんほど感動した(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ (2023年3月30日 13時) (レス) @page50 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - しぃさん» ありがとうございます...！とても思い入れの強い作品なのでそう言って頂けると嬉しいです！2世のリクエスト頂いてるのでずっと考えてるのですが中々固まらず...いつかやれたらやりたいです！他作品も楽しんで頂けると嬉しいです* (2018年10月21日 11時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 一気読みしてしまいました。最高でした！！！！なんかこう、まだまだ続きが読みたいような、完結してスッキリしたような感じでモドカシイです。他の作品も楽しませていただきます (2018年10月20日 22時) (レス) id: b9e3ade31c (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - ネコさん» うわぁー...！小説自体この作品が処女作だったので、キュンキュンしたと言っていただけてすごく驚きました！誰かの心を動かせたのかと思うと本当に嬉しいです！ありがとうございます！次もぜひやりたいです。もし映画ネタバレ大丈夫でしたら続話もご覧くださいませね！ (2018年9月17日 16時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2018年5月21日 0時
