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「誰か.....ッ！ヒーローは！？あいつ飛び降りるぞ....ッ！！！」
ビルの下で大勢がざわめき、その上空を見つめていた。
ビルの屋上に、小さな人影。
その影がわめいた。
「るっ、....せぇ！！！俺は、もう！こんなトコロはまっぴらなんだよォ...！！！」
地を蹴った小さな人影は、まるで無声映画のように音もなく、ただただ重力に従い下へ落ちて行く。
野次馬の悲鳴が響く。
フワリと、空中に男が留まった。
「は.....？」
気がつけば透明な箱の中に居た。
その箱の内部は、まるで重力を無視しているかのようで、落下の衝撃は一切無かった。
「空間ヒーロー、サクヤだ！！！」
ワァァ、と歓声が巻き起こる。
フワリとヒーローの足元に男は降ろされた。
「大丈夫ですか？」
「......ッ！！なんで......ッッ！助けたんだよ....！！！」
「......」
「俺には生きる場所なんて無ェのに...！！どうしてくれんだよ...！！」
ヒーローという職業に就いてそれなりの年数が経った。
こう言われるのは、初めてではなかった。
救いたくても救えない命があった。
救っても救えない心があった。
自分の手の届く範囲は全て守ると、そう決めたのに。
救えない自分が許せなかった。
Aは苦い表情で男を見つめた。
「...ッ、それなら」
「サクヤ」
後ろから、意図的に遮る声が響いた。
「...ダイナマイト」
「そっからはソイツの領分だ。俺らが踏み入れるべきじゃねぇ。」
「......」
男を警察へ送り届け、その処遇を委ねた。
どこか思い詰めた表情のAの横顔を、爆豪は見つめた。
最近Aが険しい顔つきで物思いに耽る回数は増えていた。
Aと事務所を共にして5年の月日が経った。
その中で一度だけ、経営方針でぶつかったことがあった。
Aが、うちの事務所で社会復帰支援としての雇用ができないかと俺に提案した時だった。
「.....生きていく希望が見出せない人たちに、まず場所をあげたいの。...生きる居場所を。
私の手が届く範囲だけでも、救いたいの...！」
「それは俺らの仕事の範疇を超えてる。わけのわからねェ奴をホイホイここにおけるほど俺ぁお人好しじゃねぇし、サイドキックを守る義務もある。
A、それはナシだ。」
「.....ッ」
Aは俺の言った意味が理解できねェような馬鹿じゃねぇ。
それ以上言い募ることはなかったが、それ以来ふとした瞬間に考え込むようなことが増えていた。
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泉(プロフ) - ミホさん» ありがとうございます^^物語に心を乗せて頂けたなら幸せです。 (2023年3月30日 18時) (
レス) id: 250c48e64a (このIDを非表示/違反報告)
ミホ(プロフ) - めっっっっっっっちゃキュンキュンした！！言葉に表しきらんほど感動した(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ (2023年3月30日 13時) (レス) @page50 id: 9767c8e410 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - しぃさん» ありがとうございます...！とても思い入れの強い作品なのでそう言って頂けると嬉しいです！2世のリクエスト頂いてるのでずっと考えてるのですが中々固まらず...いつかやれたらやりたいです！他作品も楽しんで頂けると嬉しいです* (2018年10月21日 11時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 一気読みしてしまいました。最高でした！！！！なんかこう、まだまだ続きが読みたいような、完結してスッキリしたような感じでモドカシイです。他の作品も楽しませていただきます (2018年10月20日 22時) (レス) id: b9e3ade31c (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - ネコさん» うわぁー...！小説自体この作品が処女作だったので、キュンキュンしたと言っていただけてすごく驚きました！誰かの心を動かせたのかと思うと本当に嬉しいです！ありがとうございます！次もぜひやりたいです。もし映画ネタバレ大丈夫でしたら続話もご覧くださいませね！ (2018年9月17日 16時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泉 | 作成日時：2018年5月21日 0時
