空間支配系個性が最強でしょう？３【爆豪勝己】

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次に言い渡された試験は救助演習だった。
派手にセットの街並みが破壊されていく。


テレビで見た神野の街を思い出し、ぶるりと悪寒が走った。


街へ駆け出すと要救助者役の人々が目に入る。


「Aちゃん、個性で怪我の状態とか察知できるん...！？」


「うーん、本当ならトリアージくらいは取れるんだけど、HUCの皆さん演技だからさ...！みんな健康ってことはわかるんだけどね...！見た目の状態で判断するしかないよね！」


そっか〜、と肩を落とすお茶子ちゃんに向き直った。


「私ね、ずっと思ってたの。私の結界は人を守れるけど、位置指定だから、守ってる人たちを動かすことはできない。

でも、お茶子ちゃんの個性なら、結界ごと浮かせることができる...！

お茶子ちゃ...いや、ウラビティ。私と力を合わせてくれないかな...！？」


「...！Aちゃ...ううん、サクヤちゃん！！もちろんだよ！」




黒姫とともに一帯を空間把握能力で洗う。


「こっちと、こっちにも2人ずつ。前方には子供がいるみたい。子供優先しよう！」


滅で瓦礫を除き、泣く子供の頰に触れそっと声をかける。


「...よく無事で居てくれたね。大丈夫、もう怖いのは、おしまい。」


柔らかく笑んで見せた。
そうして数人を助け出すと、結界で囲み、その結界ごとお茶子ちゃんが浮かせて救護所まで運ぶ。
これなら要救助者は安静にしたまま、お茶子ちゃんの負担も軽く運べる！


そうして何度か要救助者を運んだところで、ひときわ大きな音が響く。


「ヴィランの...襲撃まで...！？」







ギャングオルカとそのサイドキックたちが救護所に迫る。


「焦凍くん...！イナサくん...！」


現れた2人に安心したのも束の間、2人の個性は反発しあい、見るからに足を引っ張り合う展開になった。


その隙に乗じてセメントガンの嵐が襲う。
後ろにはたくさんの要救助者。退くわけにはいかない...！



ゴオオッと大きな黒い球体が現れる。
かなり広範囲に絶界を広げる。
黒い絶界に触れたセメントガンがジュッと音を立てて全て消し飛ぶ。


「......ッハァ、2人とも...何してるの...！？私たちの成すべきことは何...！？

あの人たちが、見えないの...！？」


背後には不安の滲んだ要救助者たちの顔があった。


「わたしは！みんな！守りたい！！！
焦凍くんの炎！イナサくんの風！そのすごい個性、何のために使うの！？」


悲痛な叫びに2人は弾かれたように顔を上げた。


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