16 ページ16
.
キャッキャとはしゃぐ声を背にドギマギする男子陣。
「お、おい爆豪すげぇんだってよ、見たことあんのか」
「想像すんじゃねェクソが。...まだねーわ。」
「まじか...耐えろ爆豪...」
その時ブドウのシルエットがブツブツと呟き始めた。
「こんなピンク色のやりとり、無視しろって方が無理なんすよ」
何やらわめきながら飯田の制止を振り切る。
女子の方にもそれが聞こえたらしく「えっ峰田...!?」とザワザワする。
校訓を穢しながら驚くべきスピードで壁を登る峰田に、壁越しに何かぞわりとしたものを感じ取ったらしいAの悲鳴が聞こえた。
「ひっ、やだ....勝己...............ッ!」
「ヒトとしてのあれこれから学び直せ」
そう言って光太くんが峰田くんを壁の向こうに落とした。
その瞬間爆発音が響く。
「てぇぇめぇ雑魚の分際でA泣かせてんじゃねぇマジでこの場で殺す...ッッ」
「かっ、勝己!光太くん落ちた!?大丈夫!?」
「Aちゃん、キャッチしたから大丈夫だよ!」
「ありがとう出久!勝己も叫んじゃってごめん、ありがとう!」
お風呂から上がると件のブドウ頭は顔の原型をとどめない黒コゲの塊と化していた。
廊下に出て、トト、と勝己の元に走り寄る。
「勝己...っ、ありがとう。どうにも変質者とか思い出しちゃうし、峰田くんのあの禍々しい空間が苦手で...。」
こわかった...、と勝己の肩口に頰を寄せれば肩に腕を回され引き寄せられた。
「さっきみてぇになんかあったら俺を呼べ。絶対ェすぐ行く。」
うん、ごめん...甘えっぱなしで...と勝己の服をぎゅう、と握り身体を寄せた。
「それは甘えじゃねぇ。俺の役目だ。Aは俺が守んだよ。」
「やっぱりさ、勝己は私のNo. 1ヒーローだね。」
ありがとう、と笑みを見せると勝己も、ふ、と表情を緩めてくれ、どこか大人びたその表情に思わずどきりと心臓が跳ねた。
「...勝己がかっこよすぎてなんかずるい...」
「あ?なんか言ったか」
なんでもないっ、おやすみっ、と言うと同時に自分より高い位置にあるその唇に触れるだけのキスをした。
そのまま赤い顔を隠すように女子部屋へと駆けた。
背後でツンツン頭が爆発した音がした。
----------------
286人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眠 - かっちゃんは相変わらずかっこいいしハイキューネタ!?神すぎ。何で今まで出会わなかったのだろう (2021年9月29日 22時) (レス) @page48 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ああ………林間合宿まだ原作見てないからここで終了です…!くっ!なんということだ…!!受験終わって原作見たらまた来ますね!レスうれしかったです!ではではアディオス! (2018年9月24日 1時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - あ…、黒姫だった…そして絶界だった…!そしてハイキューネタぁあ!!なんですか好みドストライクですよなんなんですか!てか私、結界師はアニメまでしか知らないからむっちゃ勉強になっとりますわ! (2018年9月24日 1時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
泉(プロフ) - きりあさん» ッアー!ッアァーーー!!嬉しすぎる...!(ゴロンゴロン)文章を書くの自体が初めてだったので、結界師知らない方にもちゃんと伝わっててしかも楽しんでもらえてるっていうのが本当に嬉しかったです...!アー!作者冥利につきるー...!ありがとうございます! (2018年9月19日 9時) (レス) id: 54e9f26b3f (このIDを非表示/違反報告)
きりあ(プロフ) - 泉さん» 結界師にもそのようなこと(角度についての話)があるのですね…。俺は結界師については全然知らないのですが、それでも楽しめる内容になってるのですごいと思います (2018年9月17日 23時) (レス) id: 70f4828b85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:泉 | 作成日時:2018年3月30日 0時