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それで、こちらのお嬢さんは？と尋ねられ、ウララカは一転、顔を赤らめて畏まった。
「しししっ失礼いたしました.....！
魔導村の魔導士、ウララカ オチャコと申します.......！姫をお助けしたい一心でこの旅に加わりました......あんま、作戦では....役に立てなかった、ですけど......。」
わぁ、とAは口に手を当てた。
「魔導士って、あなた黒魔道？
王宮から飛び出した時に聞こえたグラヴィテ、あなたのものだったのね。
そこからの重力操作は目をみはるものがあったわ、優れた魔導士なのね。
そして、何より私を気遣ってくれる、優しい方だわ。でもひとつ。私のことはAって呼んでね。私もオチャコちゃんって呼んでいいかしら。」
「う、わわ.....、もちろんです....！じゃぁ、A、殿下とお呼びします。」
ぷっ、とAは噴き出した。
「やだ、イイダくんじゃないんだから！」
見かねたジロウが「ほんとにAで良いんだってさ。この子こういう姫様なんだよ、変わってるよね。」と間に入ると「じゃぁ....A、ちゃんで....。」ともじもじしながらウララカは呟いた。
Aはまだツボに入っているようで笑いながらうんうんと頷いた。
そして遅れておず、と部屋に入ってきた、よく知った顔にAは感慨深く微笑んだ。
「イズク........来てくれたのね。
最近忙しくてロフォフォラにも顔を出せていなかったから.....5年ぶりくらい、かしら？」
「うん、A、姫......。」
「もう、みんなしてイイダくんごっこはよして。
あれでしょ、インコさんあたりに言われたんでしょ。お姫様なのにーって。いいよ、寂しいし、昔馴染みなのは変わらないでしょ。」
「はは、ご明察.....。
じゃぁ、Aちゃん、無事で....本当に..........。
村まで魔軍侵攻とAちゃん投降の噂が流れてきた時は、本当に僕、生きた心地が.....しなっ.......あれ、涙、おかしいな、止まらない......。」
「イズク...........！
それにみん、なも........！みんなが、あそこから、救け出してくれた、のね......！もう、無謀な真似をして.......！
でも、すごく、ほっとした........
みんな........来てくれて、ありがとう..........！」
その場の全員が目尻に涙を浮かべて笑い合ったのだった。
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作者名：泉
| 作成日時：2023年11月12日 22時
